"盗撮で脅した夫と1億円超の301号室" 第10話
そして、線をキッチンの方に向けた。
恐ろしいほどたい差しだった。
夫はをうような声で呟いた。
「殺してやる」
彼はちがり、狂ったように叫んだ。
「今、おら2とも殺してやる!」
夫がたけしさんのを振り払い、うようにしてキッチンへっていった。
シンクの引きしをやかましく探る音が聞こえた。
ガチャガチャという属音が、私の鼓膜を突き破るようだった。
私はパニックになり、鳴をげた。
「た、たけしさん!逃げて!包丁を探してるみたい!」
私は恐怖でがふらつき、ちがることができなかった。
私のがこんなに惨めに終わるのかとい、目のが真っになった。
ニュースでしか見たことのない恐ろしい事件の主公が私になるとは、にもわなかった。
もなく、夫が果物ナイフをにリビングにびしてきた。
目が血り、目がギラギラとる、本当に恐ろしい顔だった。
夫はナイフを構え、叫んだ。
「放っておかないぞ!」
夫がナイフを空で振り回しながら、襲いかかってきた。
私は恐怖に怯え、をってずさりした。
しかしそのだった。
私のにちはだかっていたたけしさんが、しも退りせずにズンズンとにみた。
彼はまだ半裸のままだったが、その背はまるできなのようにどっしりとして見えた。
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たけしさんの声がリビングに響き渡った。
「来るな」
しかし、理性を失った夫は止まらず、たけしさんの肩の方へナイフを振りろした。
私は恐怖のあまり、ぎゅっと目を閉じた。
「ああ!」
しかし、起こったことは私の予とは全く違っていた。
むしろ鳴をげたのは夫の方だった。
「うわっ!」
たけしさんは、夫がナイフを握る首を再び正確に、そして今回はさらに力く掴み取ったのだ。
まるで子供のおもちゃを取りげるかのように、あまりにも簡単に。
たけしさんの声はく響いていたが、そのにはたいりが込められていた。
「刃物を持つなと言ったはずだ」
彼が首を反対方向にひねると、夫の顔が苦痛に歪み、がポカンといた。
夫は激痛に顔を歪ませ、鳴をげた。
「うわっ、俺の腕!」
夫はさらに声をげた。
「俺の腕が!」
チャリーン。
夫のから力が抜け、果物ナイフがリビングのに落ちた。
たけしさんはでナイフをくに蹴りばし、そのまま夫を突きばしてソファのに転がした。
ソファに突っ込んだ夫は、ゼェゼェと息をしながら腕をさすっていた。
物理に相にならないことを骨に染みて悟ったのか、再び襲いかかる勇気はないようだった。
代わりに、その卑劣なをかし始めた。
夫は痛みを堪えながら、で笑った。
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「あ、呆れたもんだな」
夫はたけしさんを指差し、嘲笑った。
「おい、おは何者だ?301号の貧乏がに暴力を振るうのか」
夫は指を刺しながら、私を睨みつけた。
「そしてかずみ、お正気か」
夫は汚い言葉で私を罵り始めた。
「60にもなって、息子みたいなの若造と何してるんだこれは!」
夫の号は止まらなかった。
「所に恥ずかしくて顔もげられないだろう!狂ったのか!」
夫の罵声がのようにんきて、私の胸に突き刺さった。
羞恥で顔をげることができなかった。
その、たけしさんがに落ちていた私のカーディガンを拾い、私の肩にかけてくれた。
そして私をちがらせ、自分の背に隠した。
たけしさんは夫を見ろし、たく言い放った。
「声をすな。奥さんが驚くだろう」
夫は負けじと言い返した。
「おが何様のつもりでしするんだ。俺たちは夫婦だ。俺が俺の嫁を教育するのに、おが何様のつもりだ?」
たけしさんはで笑い、静かに反論した。
「夫婦?夫婦じゃなくて政婦扱いしてただろう」
たけしさんは歩にた。
「このアパート、防音が悪いことってますよね。僕、1ずっと聞いてましたよ。あんたが奥さんに鳴ったり、をせってせびったり、事に文句を言ったり」
たけしさんの目は、同とりが入り混じっていた。
「毎晩奥さんが寝で泣いてる声も、全部聞いてましたよ」
たけしさんは、私が表向き平のふりをしていても、が壊れかけていたことをっていた。