"盗撮で脅した夫と1億円超の301号室" 第7話
夫はきな釣り具のバッグを背負い、玄関で靴を履いていた。
「ってくる。がるから、釣りがもっとよくできるだろうな」
夫はまでずさみながら、楽しそうだった。
「の夜にでも帰るから」
はが鳴っているのに、釣りに狂ったを止めることはできなかった。
ガランとしたの、音だけがリビングを満たしていた。
私はソファに座り、テレビのチャンネルをもなく変えていた。
でも、どうしても線が玄関の方に向かってしまう。
私は窓のの激しいを見つめながら、さく呟いた。
「あの、ご飯はべたのかしら」
そのだった。
ピンポーン。
チャイムの音が音を突き破って鳴り響いた。
私はインターホンの画面を確認し、息が止まるかとった。
画面に、に濡れたたけしさんの顔が映っていたからだ。
臓が狂ったように鳴り始めた。
私はだしなみを急いでえ、玄関のドアをけた。
「たけしさん」
ドアがくと、彼がにずぶ濡れになってっていた。
が滴る髪の毛、濡れて体にぴったりと張り付いたいTシャツ。
そしてそのTシャツ越しに浮かびがるはち切れそうな胸の筋肉と広い肩が、玄関を埋め尽くしていた。
彼のには、黒いビニール袋が握られていた。
彼はし寒そうに肩をすくめ、私を見た。
「ああ、さん、いらっしゃったんですね」
広告
彼はビニール袋をし持ちげて見せた。
「田舎の実からさつま芋が送られてきたのですが、さっき届いたばかりで、1でべるにはすぎるのでし」
彼の唇はに濡れて青ざめていた。
さつま芋を実にしてきたことがあまりにも見え見えだったが、その器用さが何ともらしく、ありがたかった。
私は慌てて彼をへ招き入れた。
「これを届けにこののを来たの?とにかく入って。邪を引くわ」
私は彼を玄関のに引き入れた。
夫もいないによその男のを入れるなんて、理性が危ないと警告を点滅させていた。
しかし、私のはすでに駄箱から乾いたタオルを取りしていた。
彼は申し訳なそうに靴を脱ぎ、もじもじしながらっていた。
「すみません。にが滴って」
狭い玄関が彼の体格で杯になった。
鹸のりと混じったの匂い。
そして彼特の濃い男の体臭が、ふわりと漂ってきた。
私はタオルを広げ、彼にづいた。
「丈夫よ。こっちに来て。まずはを拭いて」
私がタオルを渡そうとすると、彼が濡れたで私の首をぐっと掴んだ。
私は驚いて彼の顔を見た。
「たけしさん?」
彼のはに濡れてたかったが、そのからじられる脈拍はかった。
彼は私の目から線を逸らさず、い声で言った。
「僕、実はさつま芋のために来たんじゃないんです」
広告
彼の差しが揺れていた。
数に私を見てしていた、あの純朴な差しではなかった。
何かを切実に求め、渇望する男の差しだった。
彼は私の首を握る力をしめた。
「あの、さんが僕の方をしてくれてから、もできませんでした。ずっとさんのことばかり考えてしまって」
臓がドクンと落ちた。
これは紛れもない告だった。
40代の独男性が、60過ぎの私に投げかける。
ありえないけれど、あまりにも甘く危険な告。
私はを振り解かなければいけないと分かっていながら、きつできなかった。
いや、むしろ私の指先が彼のをもっとく握りたくてうずうずしていた。
私は震える声で、必に理性を保とうとした。
「たけしさん、私、取ったおばさんよ。こんなこといけないわ」
では断っていたが、私の声は震えていた。
彼もそれに気づいたようだ。
彼がもう歩づき、私を玄関の駄箱の方へ追い詰めた。
「なんて関係ないです」
彼は私の顔をまっすぐに見つめ、力く言った。
「僕の目には、さんが世界で番綺麗な女性に見えます」
その言葉が終わるか終わらないかのうちに、でがゴロゴロと鳴った。
私は驚いて鳴をげ、を縮こまらせた。
すると彼は待っていたかのように、私をぐっと抱きしめた。
その瞬、私は息ができなかった。
に濡れた彼のの向こう側から、くてい胸が私の顔に触れた。