"盗撮で脅した夫と1億円超の301号室" 第6話
さん、見ないでください」
彼の顔は破裂しそうなほど真っ赤に染まっていた。
その巨な体格の男が、ただ自分の体を見られたというだけでどうしていいか分からずをバタつかせている姿。
それは妙にらしく、同に私の母性本能をくすぐった。
あんなすごい体を持っているのに、は純真なだなんて。
私はそれでようやくに帰り、急いでろを向いた。
「ああ、いいえ。私がノックもしなくてごめんなさい」
臓がからびしそうなくらいドキドキしていた。
背で、彼が慌ててを着る音が聞こえた。
カサカサという音つつが、私の神経を尖らせた。
しばらくして、彼が消え入りそうな声で私を呼んだ。
「かずみさん」
彼は申し訳なさそうに言った。
「もう振り向いても丈夫です」
恐る恐るろを振り向くと、彼はダボダボのスウェットパンツを履き、卓の子にをがっくりと埋垂れて座っていた。
まで真っ赤だった。
私はし距を置きながら、優しく声をかけた。
「驚いたでしょう。ごめんなさい。ドアがいていたから」
彼は顔を伏せたまま、さく首を横に振った。
「いえ、僕が注で」
部のにい沈黙が流れた。
すると、たけしさんがに顔をげないまま尋ねた。
「気持ち悪いですよね」
私は驚き、彼の言葉を繰り返した。
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「ええ?」
彼が顔をげて、私を見つめた。
その差しがあまりにもしそうだった。
彼は声を震わせながら、ゆっくりと話し始めた。
「みんな逃げていくんです。化け物を見るみたいに。気持ち悪いって、怖いって」
彼は自嘲気に笑った。
「さんも驚いたでしょう。僕、ちょっと普通じゃないから」
その言葉を聞いた瞬、を殴られたような衝撃を受けた。
ああ、このは自分のその並れたものを誇りではなく、傷として抱えてきてきたのだとった。
は羨むかもしれないけれど、本にとってはそれが々との関係を阻む壁だったのだ。
女性たちが耐えきれずに逃げていった記憶が、彼を萎縮させていたのだろう。
その瞬、私ので何かがうごめいた。
それは単なる同ではなかった。
夫に無され、女としての自尊を失った私。
並れた肉体のせいでむしろ化け物扱いされ、萎縮している彼。
私たちはそれぞれ違う理由で欠落を抱えただという、似た者同士だという共だった。
私はわず、彼のに歩づいた。
私はできるだけ優しい声で、はっきりと言った。
「いいえ、気持ち悪くなんかないわ」
私は彼の目を見つめ返した。
「ただ、ちょっとすごく驚いただけ」
私はし笑みを浮かべ、言葉を続けた。
「とても頑丈そうで、いいじゃない」
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あら。
言ってしまってから、あまりにもみっともないかとい顔が照った。
でもお世辞ではなかった。
気持ち悪いというより、命力が溢れているようで、干からびてひび割れた私の胸にをつけたかのようだったから。
私の言葉に、たけしさんの目が丸くなった。
「本当にそういますか?怖くないですか?」
私は力く頷き、彼のを拭いるように言った。
「怖くなんかないわ。たけしさんが健康だという証拠じゃない。男はそうでなくちゃ」
最の言葉は、私もわずからてしまった本だった。
涯ひょろひょろの男ばかり見てきた私の、めしい叫びだったのかもしれない。
彼は信じられないという表で、私をじっと見つめた。
その線があまりにもくて、私の方が先に目をそらさなければならなかった。
彼はちがり、私のを取った。
「さんは違いますね。の女のたちは、気持ち悪くなって逃げていったのに」
彼はく息を吐き、謝を込めて言った。
「さんは僕をありのままに見てくれるんですね。本当にありがとうございます」
彼が私を見る差しが変わった。
単なるのおばさんを見る目ではなかった。
自分のみでありコンプレックスを包み込んでくれた女性に対する、尊敬と憧れが混じった差しだった。
そしてその瞬、私はじた。
私たちのに、超えてはいけない線が引かれつつあることを。
そして数。
空に穴でもいたかのように、がどしゃりになったのことだった。