"盗撮で脅した夫と1億円超の301号室" 第1話
私は自分の目を疑わずにはいられなかった。
これは本当に、の体で能なことなのだろうか。
息子のようにもえる齢の独男性の部で、私は涯見たこともないような凄まじい景を目の当たりにしてしまった。
の力が抜け、そのに座り込んでしまいそうだった。
臓がドクンと落ちるというより、肋骨を突き破ってびしそうだというのは、きっとこういう気持ちなのだ。
体どういうことなのか、順を追って説しなければならない。
私の名はかずみ。
今で60歳になる。
埼玉県にある京郊のこの町は、再発の噂ばかりがび交っている。
しかし、10も事が始まらない古い町だった。
私はこの町で、4階建ての古いアパートを棟持っているだ。
が聞けば、奥様と呼ばれながら楽に暮らしていると羨むかもしれない。
でもそれは、私の内をらないからこその言葉だった。
この古いアパートは私にとって老の備えなどではない。
私を締め付ける、監獄のような所だった。
リビングから、突然響き渡る鳴り声があった。
その声の主は、私の夫である加藤圭だ。
夫は10に定退職してからというもの、指本かさずに座って王様のように振るうだった。
朝目覚めてすぐに探すのは杯のではなく、私への文句だ。
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夜眠りにつくに最に言う言葉は、の朝は噌汁をくするなという命令だった。
夫はソファにくを沈め、嫌そうにテレビのリモコンをいじっていた。
「おい、かずみ。飯はまだか?」
私はキッチンでを止め、夫の背を見つめた。
夫は画面から目をさず、さらに声を荒らげた。
「がこんなにく登っているのに、まだグズグズしているのか?」
私はエプロンでを拭きながら、静かに答えた。
「あなた、ご飯はもうすぐできますよ。今、お噌汁を作っているところですから」
夫はで笑い、吐き捨てるように言った。
「欲がなくなるような噌汁なんていらない。でってくる」
夫は私をちらりと見て、言葉を続けた。
「ところで今、301号の賃が入るじゃないのか」
私はカレンダーに線を移し、さく頷いた。
「期は過ぎたとうのですが、確認してみたところまだ入っていませんでした。忘れているのかもしれません」
夫はちがり、私を睨みつけた。
「忘れているだと。おが甘いからだ」
夫は苛たしげにを踏み鳴らした。
「がしっかりしないと、入居者が舐めてかかるんだぞ。今すぐりて取って来い」
私はうつむき、じっと耐えた。
夫のたい言葉がさらにり注いだ。
「そのがないと、うちは今の活費がりなくなるのをらないのか」
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私はので呆れ果てていた。
は株で全て溶かし、私の実から相続したこのアパートの賃で暮らしているくせに、いつもあんなに堂々としているのだ。
私たち夫婦は夫婦という形を保っているだけで、同然に暮らして15以になる。
別々の部で寝るようになってからは、いせないほどい。
肌が触れったのがいつだったか、記憶さえ曖昧だった。
夫にとって私は妻ではない。
ただ飯を作る政婦であり、賃を集めてくる集だ。
まさにその程度だったのだ。
私の胸の内は干がった田んぼのようにひび割れていたが、夫はそこに滴のも与える気のないだった。
私はさくため息をつき、夫に向かって頷いた。
「わかりました。今、ってきます」
私はエプロンを脱ぎ捨てて、い取りで階段へ向かった。
とぼとぼと階段をり、3階へと向かった。
301号の入居者は、岡田たけしさんだ。
の今頃に引っ越してきた41歳の独男性だった。
初めて契約しに来たのことをいす。
は185センチをゆうに超え、肩幅はがっしりしていて、玄関のドアがいっぱいになるほどだった。
体格だけを見ればヤクザか何かかしらと怖くなった。
しかし、いざをくと声がとても穏やかで、しだったのを覚えている。
で溶接の仕事をしていて、今はし休んでいると言っていた。
いつも作業着姿で、ほのかに油の匂いを漂わせていた。