"10倍の下剤と検事になった嫁" 第6話
私は息を殺し、しだけいていた箪笥の引きしにをかけた。
表面は綺麗に畳まれた着物が入っているだけである。
しかし私は、着物の敷きになっている古いアルバムの裏側に自然な空があるのを見逃さなかった。
指を入れて探ると、桐の底板がパカリとれた。
そこにあったのは、見慣れた茶い封筒だった。
からてきたのは、消えた義父の通帳だけではない。
クリップで留められた分い類の束。
それは義父の命保険の証と、きの遺言だった。
遺言には「全ての財産を妻の恵子に相続させる」とはっきりかれている。
しかしその文字を見た瞬、私はたいものをじた。
半が麻痺してペンも握れない義父に、こんなった文字がけるはずがない。
丸みを帯びてしがりのその跡は、違いなく義母のものである。
義母は自分ので遺言まで偽造していたのだ。
私はエプロンのポケットからスマートフォンを取りした。
音のないカメラアプリを起する。
が震えそうになるのを奥歯をく噛み締めて堪えた。
1枚、また1枚と確実な証拠を画像として保していった。
類のにあった通帳をくと、私の目はつの数字に釘付けになった。
最のページに、昨の付で300万円が引きされた記録があったのだ。
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義父のと毎の介護保険が振り込まれる切な座である。
私はその々しい数字を見て、病院の非常階段で聞いた夫の話をいした。
夫の言葉がの奥で蘇る。
夫はこの300万円を当てにして、とのしい活を始めようとしている。
義母は義父の財産を独り占めにするために遺言を偽造した。
そして夫はその義母の横領を黙認する代わりに、現を引きさせている。
醜い欲望がこのさなのでのように蠢いていた。
彼らは私を、ただ黙って事と介護をするだけの都の良い女だと見していたのだ。
だからこんなにも杜撰な隠し方をしている。
私は全ての類をミリ単位で元の位置に戻し、底板を閉めた。
義母の部をて、次は2階にある夫の斎へと向かった。
夫の部は几帳面な彼らしく綺麗に頓されている。
机の横には、昨彼が持ち帰ったビジネスバッグが置かれたままだった。
病院へ向かう、彼はバッグを持たずにびしていったのだ。
私は革の留め具をし、を慎に探った。
底の方からてきたのは、彼が会社で使っている帳とは別の黒いさな帳だった。
ページをめくると細かい文字で予定がき込まれている。
私に休勤だと言っていたには、必ず「M」という文字があった。
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帳のにはピンクのレシートが挟まっていた。
それは級ブランドXでのネックレスの購入証だった。
夫が私には誕のプレゼントつ買ったこともないのに、見らぬ女には何万円も貢いでいた証拠である。
そして今週末の欄にははっきりとこうかれていた。
「婚届提・マイとマンション内見」
やはり夫は私を追いす準備を完全に終えていた。
ここでつのきな矛盾が浮かびがる。
義母は私をに縛りつけ、無の介護員として使い潰そうとしていた。
だからこそ今の試験にかせないために噌汁に何かを混ぜたのだ。
しかし夫は私を追いし、をこのしいマンションに迎えようとしている。
親子のでも、私に対する目が完全に違っていたのだ。
それが彼らの計画の最の綻びだった。
私は帳のページを全て撮し、バッグを元の状態に戻した。
これで夫の貞と義母の横領、両方のと証拠が繋がった。
最に私は1階の奥にある義父の部に向かった。
部に入ると、独特な介護用の消毒液の匂いがをつく。
静かな部の、ベッドに横たわる義父は目を覚ましていた。
私の顔を見ると、義父は自由なをゆっくりとかした。
私はベッドの傍らに膝をついた。
「お義父さん、丈夫ですか?お茶をみますか?」
私が毛布を直そうとすると、義父は私の袖を々しく掴んだ。
そして自分の枕のを何度も指差したのである。