"金メダル会見で、私は母の嘘を暴いた" 第11話
「母が私の体を変えたとしても、そののを作ったのは母じゃありません」
私は胸を張った。
「私です」
事故から10くが過ぎ、私はようやくそう言えるようになった。
そのの。
ジャイアンツは終盤まで激しい優勝争いを続けていた。
私はがある限り京ドームへ通った。
テレビ継に私の姿が映るたび、SNSでは「メダリストがまたいる」と話題になるらしい。
ある試、玲音から話が来た。
「都、今来る?」
「当然」
「事な試だから選に何か言頼む」
「2でいい?」
「5分にして」
「すぎる」
「回、守に本気でられた」
私は笑った。
そのの試は、9回まで1点差だった。
最の打者が打席へつ。
私は観客席でタオルを握った。
昔の私なら、この所にいるたちを羨ましいとった。
れる。
野球ができる。
を失っていない。
でも今は違う。
選が投球を打ち返した。
球がくがる。
スタンドへ向かう。
歓声が爆発した。
私は両をげた。
「けえええっ!」
ボールがフェンスを越えた。
隣で祖父までちがっていた。
「都! 入ったぞ!」
「見れば分かる!」
祖母はを押さえて笑っている。
私は誰よりもきな声をした。
この瞬だけは、メダルも母の事件も何も関係なかった。
ただ、の野球ファンだった。
試、夜の京ドームをる。
くのが笑いながら駅へ向かっている。
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私は子をゆっくりめた。
ろから玲音と守が追いついてきた。
「都」
「何?」
玲音が笑った。
「9、俺が言ったこと覚えてる?」
「違う方法でジャイアンツを優勝させろってやつ?」
「ああ」
私はし考えた。
「まだ途だね」
「まだ?」
「私は世界会でももっと勝つ。もっと名になる。それで毎回ジャイアンツ最って言う」
守が苦笑した。
「兄ちゃん、とんでもない子を目覚めさせたね」
「を見る目はあるからな」
「そこ自分で言う?」
私は笑った。
9歳の私は、度が終わったとった。
歩けなくなったから。
母に捨てられたから。
父までいなくなったから。
何も残っていないとった。
でも、はあので終わっていなかった。
誰かが壊した所から、そのまま続きをきなければならないわけでもなかった。
しく始めていい。
別のを持っていい。
昔と同じ自分に戻れなくても、以とは違う自分になればいい。
私は夜空を見げた。
父がどこかで見ている気がした。
「お父さん」
さく呟いた。
「私、結構楽しくやってるよ」
玲音が振り返った。
「何か言った?」
「何でもない」
私は子のリムへを置いた。
駅へ続くには、まだ勢のファンが歩いている。
そのへ入っていく。
私のは、ベランダから落ちたの続きではない。
あのから何を選び、誰と会い、どこへ向かうか。
それを決めてきたこそが、私のだった。
だからこれからも私はる。
自分のために。
応援してくれたたちのために。
そして、しだけジャイアンツのために。
次の世界会でもメダルを取ったら、今度こそ優勝インタビューを最まで野球の話で埋め尽くしてやろう。
そう決めている。
瑞穂さんには、まだ言っていない。