"嫁の「逃げて」で暴かれた妻の計画" 第12話
「笑ってるよ」
「全然」
「おたちが注文いんだ」
シャッターの音が鳴った。
写真を確認すると、そこには特別きれいでも、格好よくもない3が写っていた。
し眩しそうに目を細めた私。
ぎこちなく笑う也。
満そうな桜。
それで分だった。
帰りので葉を眺めながら、私はふとった。
あの、サービスエリアで本の話がかかってこなければ、私は今ここにいなかったかもしれない。
しかしもっと恐ろしいのは、自分が信じたいものだけを信じ続けていたことだった。
美佐の笑顔を信じたかった。
晩に得た幸せを失いたくなかった。
だからさな違を何度も見逃した。
反対に、無で数のない桜のことは、「悪い子ではないが、し距がある嫁」くらいにしかっていなかった。
私はを見る目があったわけではない。
むしろ、見たいものだけ見ていた。
「お義父さん、寝てます?」
助席から桜が振り返った。
「起きてるよ」
「ならよかったです」
「どうして?」
「サービスエリアまであと30分だから、そこで運転代わります。疲れるに言ってくださいよ」
「分かってる」
私は笑った。
今度は誰も、私へい薬を差しさない。
疲れたなら休めと言ってくれる。
忘れたなら緒に探してくれる。
そして私が「丈夫だ」と言えば、その言葉を度は信じてくれる。
それでいいのだとった。
本当の族は、を自分のい通りにかそうとするではない。
相が自分のを歩けるように、必なだけを差ししてくれるなのだ。
窓ので、のがゆっくりざかっていった。
私はの座席にいるを見ながら、残りのでこのたちとのを切にしていこうとった。
あの、命がけで逃げたの先に、こんな穏やかな景が待っているとはわなかった。
けれど今なら分かる。
私があの、本当に逃げしたのはサービスエリアからだけではなかった。
優しい言葉だけを信じて、自分の目を閉じていたからだったのだ。
そしてその先で待っていたのは、華やかな笑顔ではなく、必なに黙ってを差ししてくれる、本当の族だった。
完