"給食を食べなかった少女" 第7話
即答した。
栄治が驚いた。
林は続けた。
「でも、分からないから今から調べるんです」
しばらくして。
父は。
さく笑った。
「先らしくない答えですね」
「最、子どもに教えられました」
その夜。
子が呂からると。
父が。
卓袱台のに。
あの茶封筒を置いていた。
《学のお》
といた封筒。
「お父ちゃん?」
「まだ持ってたんだな」
「うん」
父は。
の貨を数えなかった。
「これは、おが持ってろ」
「っていいの?」
子は息を止めた。
栄治はすぐには答えなかった。
「までに、俺も考える」
女の目に涙が浮かんだ。
「絶対?」
「絶対けるとは言わん」
父は正直だった。
「でも、最初から駄目とも言わん」
子は何度も頷いた。
「それから」
「何?」
「はえ」
「……はい」
「弟の分は俺と母ちゃんが何とかする」
「でも」
「子どもがの飯の配するな」
栄治はそう言った。
けれど。
その言葉をにするまで。
自分自が。
歳の頃から。
の飯を配してきてきた。
子には。
それが分かった。
だから。
「分かった」
とだけ答えた。
休みが終わり、学期になると子はし変わった。のになるに腹痛を訴えることはなくなり、パンも汁物もできるだけ残さずべるようになった。最初のうちは、弟たちの顔が浮かぶのかパンをにしたまま止まることがあったが、それでも最には自分のへ運んだ。
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ある、美代子が何気なく言った。
「子、最ちゃんとべるね」
以なら顔を変えていた言葉だった。
子はし照れながら答えた。
「うん。お腹空くから」
「は空かなかったの?」
「空いてた」
「何それ」
で笑った。
それだけの会話だった。
貧しいことは。
消えなかった。
計が。
急に楽になったわけでもない。
それでも。
子ので。
べることと。
恥ずかしいことが。
しずつ。
別のものになっていった。
が来る頃。
費の未納は。
ようやく解消された。
が。
職員へ。
封筒を持ってきた。
「遅くなりました」
事務担当者へ渡す。
林は。
くから見ていた。
は。
帰る。
担任の机へ来た。
「先」
「はい」
「子には、払ったって言わないでもらえますか」
「どうしてです」
「最ようやく、おのこと気にせずべるようになったから」
林はし考えた。
「分かりました」
母親はをげた。
そのの。
子は。
何もらず。
パンを全部べた。
べ終わったあと。
珍しく。
隣の美代子が残した分まで。
「いらないならもらっていい?」
と聞いた。
林は。
黒板へ向かいながら。
わず笑った。
。
に関する資料が。
職員へ届いた。
にはまだい。
ただ。
林は冊。
持ち帰った。
放課。
子を呼んだ。
「これ」
「何ですか」
「の案内」
女の目が輝いた。
すぐを伸ばしかけ。
途で止めた。
「もらっていいんですか」
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「学の資料だから返せ」
「ケチ」
林は笑った。
「先になるなら、まず学でしっかり勉しろ」
「分かってます」
「で状況が変わるかもしれない」
「はい」
「悪く変わることもある」
「はい」
「そのはで決めるな」
子は。
し黙った。
「で考えるんでしたね」
「覚えてたか」
「先がしつこいから」
その。
栄治のは。
寒さでさらにきにくくなった。
仕事から帰ると。
箸さえ落とすがあった。
子は。
父の代わりに。
薪を割った。
弟を呂へ入れた。
母の箱作りも。
伝った。
それでも。
勉だけは。
やめなかった。
夜。
族が寝た。
さな灯ので。
問題集をいた。
以なら。
族が苦しいに。
自分だけ勉していることへ。
罪悪があった。
今は。
し違う。
父が言った。
《最初から駄目とは言わん》
その言葉を。
無駄にしたくなかった。
までに。
子のノートは。
何冊も。
鉛の文字で。
真っ黒になった。
昭313。
の卒業式がづいた。
教では、卒業証を受け取る練習が始まり、子どもたちは学の制やしい鞄の話をするようになった。子の制は所の娘が使っていたものを譲り受け、が夜なべして丈を直した。
袖には。
古い縫い目が残っていた。
スカートにも。
以の持ち主の折り目がある。
けれど。
子は。
気に入っていた。
「品みたい」
母へ言うと。
は笑った。
「そこまで言うと嘘になるよ」
「くからなら分かんないよ」
「じゃあくから見てもらいな」
卒業式の。