みかん小説
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"給食を食べなかった少女" 第1話

30、群馬県のさな町にある舎では、学期からが増えていた。まだ毎分な献るほどではなかったが、昼になると廊の向こうから鍋の匂いが漂い、目の終わりがづく頃には、子どもたちが何度も壁の計を見るようになった。アルミの器へ盛られる温かい汁物とパン、脱脂乳は、決して豪華なものではなかったが、腹を空かせた子どもたちにとってはきな楽しみだった。

の佐伯子も、のうちは皆と緒にべていた。痩せた体つきの女で、肩まで伸びた髪を母親が切ったらしく、さがし違っていた。目を着ることもなく、休み声で騒ぐタイプでもなかったが、授業に難しい問題をすと誰よりく鉛かすため、担任の林浩は何度も彼女の答案に赤い丸をつけていた。

特に国語と算数は学でも位だった。図にある本をほとんど読み終え、の終わり頃には向けの参考まで借りていたことがある。林が「そんなに急いで何になるんだ」と笑うと、子はし考えてから、「先になったら、いっぱいらないといけないでしょう」と答えた。

「先になるのか」

「できたら」

「できたらじゃなくて、なりたいなら勉しろ」

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「はい」

その子は珍しく嬉しそうに笑った。

ところがに入ると、その子に妙な癖ができた。

目の終わりを告げる鐘が鳴るになると、決まってを挙げるようになったのである。

「先、お腹が痛いです」

最初の林は何も疑わなかった。

「保健っておいで。無理するなよ」

子はさくげ、教科を閉じて教た。ちょうどその直、当番の子どもたちがを運んできたため、林も子のことをく考える余裕はなかった。

の授業が始まるになると、子は戻ってきた。

「もう丈夫か」

「はい」

「何か薬をもらった?」

「寝てたら治りました」

は悪くなかった。

もなさそうだった。

次のは何事もなく過ぎたため、林もなものだとった。

しかし、その翌

また目になると子がを挙げた。

「先、お腹が痛いです」

その週だけで回。

翌週も回。

保健担当の根千代まで首を傾げた。

「午は元気なのよ。体育も普通にやってるし、休みは本を読んでるでしょう」

「昼だけなんです」

「何かべると具が悪くなるのかしら」

「でも、べるに来るんですよね」

で話しても理由は分からなかった。

林は教へ戻り、ろの席で算数の問題を解いている子を見た。元の鉛くなり、の部分を刀で削った跡が何度も残っている。

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物を切にする子だとは以からっていたが、最は消しゴムまで米粒ほどのきさになるまで使っていた。

そのの帰り。

子が教たあと、林は彼女の机の枚のが落ちていることに気づいた。

拾ってみると、費の納入袋だった。

表には佐伯子の名

裏には学印。

そしてには、さく赤い字で、

《未納》

かれていた。

林はしばらくそのを見つめた。

佐伯が学関係の負担を遅れがちにしていることはっていた。度初めの教材費も部まだ納められておらず、費についても事務から何度か庭へ通ている。

ただし、だからといって子どものを止めるようなことはしていない。

担当からも、

「子どもにはべさせてください。庭への連絡はこちらで続けます」

と言われていた。

それならなぜ。

子は昼だけ腹痛を訴えるのか。

目の途

また子がを挙げた。

「先、お腹が……」

林はしだけを置いた。

それでも普段通り頷いた。

っておいで」

女は教た。

数分林は用事を作って隣の教師に教を頼み、職員へ向かった。その途、保健を通る。

扉がいている。

を覗いた。

子はいなかった。

根先

「はい?」

「佐伯子、来てませんか」

根は驚いたように顔をげた。

「今は来てないわよ」

林の胸にさな違が広がった。

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