"合格発表の日、父が消えた" 第6話
あとはらない」
真理子が見た現は、その逃資だった。修は取引を決めるから、塚本側に差しされたを持ち帰っていたことになる。彼は脅迫された被害者である方、自分の志で偽装に加わっていた。
「約束を守ったと言いましたね。でも学には、私を告発する封筒が届いた」
塚本の目が初めて揺れた。彼は告発を送っていないと主張した。栞の入学が取り消されれば修が資料を公するため、そんな危険を冒す理由がないという。
告発したのは、原だった。
原は塚本にらせず、栞を学から排除した。藤原が声をげれば、修の窃盗と正受験を同に報させるつもりだった。塚本もからったが、修との連絡方法を持たず、何もしなかった。
「あなたたちは、父が娘のためなら黙ると分かっていた」
「親なら、普通はそうする」
「普通の親は、子どもから真実を選ぶ権利を奪わない」
栞はちがった。塚本は背へ向かって、修の連絡先は本当にらないと繰り返した。しかし面会記録には、まで毎になると、同じ福島県の所から塚本宛てにが届いていたことが記されていた。
差は《誠》。施設職員によれば、塚本は度も返事をかなかった。それでもだけは捨てず、ベッド脇の引きしへ入れていた。
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栞が示を求めると、塚本は拒んだ。警察を通じて押収された通の封筒には、父の所を示す所はなかった。はすべて、毎枚ずつ増えた栞の記事の切り抜きだった。
スーパーの社内資格に格した記事、域の簿記講座で講師をした記事、母と商の祭りを伝った写真。修はくから、娘の暮らしを見続けていた。
最の封筒には切り抜きがなく、古い寿司の箸袋だけが入っていた。裏には鉛で、《今こそ帰る》とかれていた。
消印はの、福島県郡だった。
郡の消印だけでは所を絞れなかった。栞は父が働けそうな印刷・製本会社を調べ、誠という名で勤務していた物を探した。しかしの雇用記録を残す会社はなく、話で事を話すたび、個報を理由に断られた。
方、警察は栄印刷の元社、原の事聴取を始めた。原は会社を清算、息子夫婦と千葉で暮らしていた。百万円は実し、修が持ち逃げしたと主張したが、相原の保していた報告と流は、その説とわなかった。
邦学も内部資料を再調査した。2010の告発封筒には、当の栄印刷でしか使われていなかった業務用封筒が使われていた。封筒の糊部分から検された指紋は古く鑑定できなかったが、宛名の文字には原の跡と共通点があった。
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学の元監査担当者は、栞の入学を正式に取り消していなかったと証言した。調査が終わるに本から辞退届が届いたため、記録は自主辞退となっていた。その辞退届にも栞の署名がある。
「私は、いていません」
栞が実際にへ提したのは、入学続きの延期願だった。はそれを学へ郵送したと記録している。途で差し替えられた能性があった。偽の辞退届に使われた署名は、青葉学会の入会申込から写し取られたものだった。
学が保留を決めたあとも、誰かが栞を確実に排除しようとしていた。原だけでなく、学かの続きに詳しい協力者がいたことになる。
その物は、青葉学会で指導を担当していた講師、久保田雅彦だった。久保田は学職員を定退職したあと青葉に雇われ、保護者向けに「特別な推薦経がある」と説していた。千に架空の特別試験を受けさせた監督役も彼だった。
久保田はにくなっていたが、娘が遺品のノートを保管していた。そこには塚本から指示された徒名と額が記され、栞の欄には《辞退へ変更・本確認》とあった。そのに《F、条件履を確認せず》と追記されている。
Fは藤原修を指していた。父は自分が姿を消せば、娘の格が守られたかどうか確認する方法すら決めていなかった。