"親族席から消された母と24年目の離縁" 第23話
彼が自分の罪の本当のさをり、私に向きうが来るのは、もうし先のことになるだろう。
私はドアをけ、真っすぐにを向いて歩きした。
弁護士事務所での決定な話しいから、さらに1週が過ぎた。
私のしいまいは、内にある築数の古いさな賃貸アパートだ。
必最限の活用品だけを持ち込んだ部は殺景だが、どこまでも静かだった。
かず彦との婚調とゆうととの縁調は、田先の元で粛々とめられている。
私は勤めているスーパーのパートのシフトを増やし、自分の力だけでつしい活を始めていた。
誰かの顔を伺うことも、理尽な嘘の片棒を担がされることもない穏やかな々だ。
休の午、私が部の掃除を終えてお茶を入れようとした、古びたインターホンが鳴った。
ドアスコープから覗くと、そこにはひどく痩せこけたゆうとがっていた。
田先から私のしい所を聞きし、直接ここへやってきたのだろう。
私はしだけ迷ったが、ドアのチェーンをし、彼を部のへ招き入れた。
玄関にったゆうとの姿は、数週の結婚式を控えた自信に満ちた青とは別のようだった。
研修医として着こなしていたはずのシャツはシワだらけで、目のには濃いクマが落ちている。
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志さんに妻を連れ戻されて以来、彼の結婚活は完全に崩壊状態にあると弁護士から聞いていた。
彼は狭い部を見回し、さな座卓のに力なく座り込んだ。
私は彼が好きだった銘柄のコーヒーではなく、自分に入れたいほうじ茶を無言で彼のに置いた。
「こんな狭いところにませて、本当にごめん」
湯呑みを見つめたまま、ゆうとは掠れた声で呟いた。
「謝る必はないわ。私が自分で選んでここへ来たのだから」
私が向かいに座ると、ゆうとは両で顔を覆い絞りすような声で言った。
「ごめん母さん。俺が全部悪かった。俺、自分がどれだけ馬鹿なことをしたか、あのずっと考えてたんだ」
24で初めて、彼が私をからの悔と共に母さんと呼んだ瞬だった。
しかしその言葉を聞いても、私のにびや慨が湧くことはなかった。
「ゆうと、呼び方を変えれば済む話じゃないよ」
私の静かでたい拒絶に、彼は弾かれたように顔をげた。
「俺、本当のこと何もらなかったんだ」
彼は言い訳をするように話し始めた。
「けい子さんが俺と養子縁組をして親戚から守ってくれたことなんて、誰も教えてくれなかったから」
ゆうとは顔を歪めた。
「もしってたら、あんなに親族席から追いすようなこと絶対に言わなかったのに」
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彼は必に、自分の残酷な選択を無だったからという理由で正当化しようとしていた。
事実をらされていなかった被害者なのだから、許される余があるはずだとすがっているのだ。
私はその言葉を途で遮り、彼を真っ直ぐに見据えた。
「らなかったことは、あなたのせいじゃない」
私ははっきりと告げた。
「でも、実母に座ってもらいたいからあなたは来ないでと言ったのは、あなたでしょう」
ゆうとは息をみ、いたを塞がれたように押し黙った。
私は自分の湯呑みを両で包み込み、ゆっくりと確かな声で紡ぎ始めた。
「あなたはどうして、私とお父さんが24も養子縁組のことを黙っていたとう」
私は彼に問いかけた。
「お父さんは、自分が親として失格だったことを隠したかっただけよ」
私はしを置いた。
「でもね、私があなたに真実を話さなかったのは別の理由があるの」
ゆうとは震える目で私の次の言葉を待っていた。
「私がもし、あなたを施設から救いして育ててやったと1度でも言えばどうなったとう」
私は彼の目を見つめ続けた。
「あなたは私に恩を返さなければならないという、見えない鎖に繋がれるのよ」
私は静かに言った。
「私はあなたに、そんない代償を背負わせてきて欲しくなかった」
私は言葉を繋ぐ。
「自分が誰からも望まれていなかった子供だなんて、1ミリもじて欲しくなかったの」
私の言葉が、静かな部の空気にく染み込んでいく。