"親族席から消された母と24年目の離縁" 第19話
荷造りを終えた私は、鞄のファスナーを静かに閉めた。
窓のはすっかり暗くなり、たい夜がカーテンを揺らしている。
夜がけたら、このをて内のさなビジネスホテルへ移ろう。
そこでパートにながら、しい活の基盤を探すのだ。
居からは、まだ父親と息子の罵声がかすかに聞こえてくる。
彼らは自分がついた嘘のさに押しつぶされ、お互いを憎みう獄をきるのだろう。
私は部の気を消し、たい鞄の持ちをしっかりと握りしめた。
24、私が演じ続けた都のいい母親は、今で完全にんだのだ。
夜がけ、しらじらとした朝が居の窓から差し込んでいた。
私は自分の部から黒い旅鞄をに提げ、静かに階段をりた。
居のドアをけると、そこにはひどく淀んだ空気がち込めている。
かず彦とゆうとは、昨夜からもしていないのだろう。
2ともソファにだらしなく沈み込み、テーブルには空の缶コーヒーが散乱していた。
ゆうとは弁護士からの内容証郵便が妻の実へ届くという恐怖から、自分のへ帰れなかったのだ。
自分の完璧な結婚活が、今にも終わってしまうかもしれないという絶望。
その圧に押しつぶされ、彼は幽鬼のようなうつろな目で宙を見つめていた。
広告
私はテーブルの端に、24持ち歩いていたこのの鍵を静かに置いた。
属がぶつかるたい音が、静まり返った部に響き渡る。
「私はこれでていきます」
私は鍵からをし、静かに告げた。
「今のことは全て、田先を通して連絡してください」
私の声に、2は弾かれたように顔をげ、血った目を向けた。
「待ってくれ。けい子さん、頼むからの件だけは取りげてほしい」
ゆうとはふらつく取りでちがり、私に向かってすがるようにを伸ばした。
「嫁の実にられたら、俺の結婚活は本当に終わりなんだよ」
彼は涙声で願してきた。
「俺がけい子さんを式に呼ばなかったせいなら、いくらでも謝るから」
あの子はまだ、自分のにりかかる利益を回避することしかにない。
自分がどれほど残酷な選択をしたか、その本当の代償にしも気づいていないのだ。
私は伸ばされたをたく見ろし、鞄のから古い茶封筒を取りした。
「謝罪なんて必ないわ」
私は彼に向き直り、静かに言った。
「でもそのに、あなたには自分の目で見ておかなければならないものがある」
私は茶封筒のから1枚の黄ばんだ便箋を取りし、テーブルのに広げた。
それは24、かず彦の父親、つまりゆうとの祖父がき送ってきただ。
広告
『かず彦は親失格だ。あの赤ん坊は、くの施設にでも預けるのが1番いい』
私はそのの文字を、静かに読みげた。
『がの恥になるような子供を、これ以親族の集まりに連れてくるな』
褪せたインクで力くかれたその文面を、私は指で静かになぞった。
「読んでみなさい、ゆうと。これがあなたの信じていた血の繋がりの正体よ」
ゆうとは震えるで便箋を拾いげ、そこにかれた文字をい入るように見つめた。
彼の目が次第にきく見き、便箋を持つが刻みに震え始める。
「父さん、これ、本当におじいちゃんの字だよね」
ゆうとは信じられないものを見るような目で、ソファのかず彦を振り返った。
「施設って、俺のことを」
かず彦は顔面を蒼にし、慌ててを乗りして便箋を奪い取ろうとした。
「違う。それは親父が勝にっていただけで、俺はそんなこと1度も賛成してない」
かず彦は必に言い訳をした。
「嘘をつかないで」
私のたい指摘に、かず彦は言葉を詰まらせた。
「あなたはあの親族会議の席で、ずっと俯いていたじゃない」
かず彦は線を激しく泳がせた。
「あの頃の俺は、仕事の失敗で親戚から責められて、精神に追い詰められていたんだ」
彼は言い訳をねた。
「それに俺はまだ若かったし、経済力もなかった。
1で子育てなんてできるわけがなかったんだよ」
かず彦は必に声を張りげ、自分の甲斐なさを環境や若さのせいにしようとした。