"親族席から消された母と24年目の離縁" 第3話
「落ち着いたら取りに来るから、そのままにしておいて」
数ヶ、をるに彼はそう言って笑っていた。
私はその言葉を信じて、毎週週末にこの部の窓をけ、を通してきた。
いつ彼が荷物を取りに来てもいいように、掃除をかけ、机のを拭き清めていたのだ。
でももう、彼がこの部に帰ってくることはない。
たとえ帰ってきたとしても、そこにもう私のっている息子はいない。
私はく息を吸い込み、部の隅にあるダンボール箱を引き寄せた。
ゆうとが実母であるさやかさんと再会したのは、1のことだ。
成した彼が、自分のルーツをりたいとうのは当然のことだとった。
「会ってもいいかな」と申し訳なさそうに聞かれた、私は迷わず頷いた。
「あなたの産んでくれたお母さんなんだから、会いたいなら会えばいいよ」
私はからそう言ったつもりだったし、彼を縛る権利はないとっていた。
たまの休みに、彼がさやかさんと事にかけるのを、私は笑顔で送りしてきた。
でも、その私の態度が、彼に違った学習をさせてしまったのだ。
けい子さんは何をしても傷つかない。
けい子さんは自分の居所を脅かされても、決してらない都のいい。
私が自分のを殺し、物分かりのいい母親を演じ続けた結果がこれだ。
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昨夜の「来ないで欲しい」という言葉は、突然まれたものではない。
私が24かけて彼のに育ててしまった、甘えの結末なのだ。
エプロンのポケットので、スマートフォンがく震えた。
画面を見ると、夫のかず彦からのメッセージだった。
私は荷造りのを止めて、そのい文章に目を落とした。
「みえ子が親族の控でりして、収拾がつかない」
私は画面を指でスクロールさせた。
「さやかさんもひどく居が悪そうで、式の空気が最悪だ」
さらに次の文章が続いていた。
「披宴からでもいいから、般席に座りに来てくれないか」
私は画面を見つめたまま、静かに息を吐いた。
彼は、私が今このでどれほど惨めないをしているかなど、しも考えていない。
さやかさんが居が悪いなら、夫である彼自がに入って解決すればいい。
それなのに、完全に式から排除された私を呼びし、化のように振るわせて、そのを丸く収めようとしている。
これはあまりにも残酷で、勝な甘えだった。
えば24、私はずっとこの族の緩衝材だった。
面倒なこと、気まずいこと、誰かが傷つくこと。
その全てを私が引き受けて、波をてないように蓋をしてきたのだ。
私は画面を指でく弾き、い返信を打った。
「私はきません。そちらで解決してください」
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送信ボタンを押し、私はスマートフォンをベッドのに放り投げた。
私はちがり、クローゼットの扉をきくけた。
残されていた彼の物のコート。
学代の古い参考、使い古したスポーツバッグ。
それらを全て、当たり次第にダンボール箱に詰め込んでいく。
彼が医学部の試験勉で夜まで起きている、私は夜を作って運んだ。
義務からではなく、ただ純粋に彼のを応援したかったからだ。
本棚に残されていた分い医学をに取ると、そんな記憶が蘇りそうになる。
しかし私は首を振り、容赦なくその本を箱の底に沈めた。
もう、迎えに来る息子を待つ、優しい母親のふりをするのはやめよう。
あの子は自らので、私を結婚式から排除したのだから。
私はガムテープを引きし、箱にしっかりと封をした。
ビリッというテープを裂く鋭い音が、静かな部にたく響く。
机のを片付け終えると、私はベッドのシーツを引き剥がした。
彼が使っていた枕も毛布も、全てきなゴミ袋に押し込んでいく。
部から彼特の匂いが消え、しずつただの無質な空へと変わっていく。
これでいいのだと、私は自分に言い聞かせた。
箱を4つ作り終えると、私はすぐにスマートフォンの画面を操作した。
そして、宅配業者へ配をした。
「今の午に集荷をお願いします」
届け先は、ゆうとが妻と暮らすしいマンションだ。