"3200万円を隠した姑と「養ってやる」の夫" 第20話
には分い革のビジネスバッグが握られている。
「佐さん、お約束通りお伺いしました」
先私が無料相談に訪れた法律事務所の、藤弁護士だ。
私はくをげ、藤弁護士をリビングへと案内した。
見らぬ男性の登に、テーブルを囲んでいた親族たちのにどよめきがった。
夫がちがり、声を荒げた。
「美、そのは誰だ? 親戚の集まりに部者を入れるな」
私は静かに夫を見据え、はっきりとした声で紹介した。
「こちらの藤先は、私の代理を務めてくださる弁護士の方です」
「弁護士」。その文字が響いた瞬、リビングの空気がピタリと凍りついた。
夫の顔から、さっと血の毛が引いていくのが分かった。
夫は激しく揺し、で追い払うような仕をした。
「べ、弁護士だと? 族の問題にげさな真似をするな! すぐに帰ってもらえ、ここは内だけで話しうだ!」
しかし藤弁護士は全くじることなく、静かに礼した。
「ご主がすでに婚届を作成し、奥様に署名を迫っていると伺いました」
藤弁護士のく落ち着いた声が、部の空気を制圧していく。
「法な文が提示された以、これは単なる族の揉め事ではありません。派な法律問題です」
夫叔父が険しい顔つきでを乗りした。
「幸、おもう婚届まで突きつけていたのか」
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夫はビクッと肩をねさせ、しどろもどろになった。
「そ、それは美がどうしても反省しないから脅しのつもりで……」
夫叔父は夫を睨みつけた。
「脅しで法な類を使うのはしませんね」
夫叔父は、藤弁護士に向かって顎をしゃくった。
「先、ち話も何です。どうぞお座りください」
親族ので番発言力のあるおじさんの許がたことで、夫はもう何も言えなくなった。
夫はドスンと子に腰をろし、貧乏ゆすりを始めた。
義母もげにハンカチをく握りしめている。
藤弁護士が席に着き、分いバッグからいくつかのファイルを丁寧に取りした。
そして、先ほど義母がテーブルに並べた活分担案と料表に目を落とした。
藤弁護士は穏やかな調で語り始めた。
「先ほどドアのでしお話を拝聴しておりました。奥様が突然事を放棄し、お母様に過酷な労働をしている。そうおっしゃっていましたね」
義母は弁護士に話しかけられ、ビクビクしながらも頷いた。
「そうです。私はこのでいじめられているんです」
藤弁護士はファイルのから枚のを取りし、夫叔父のに置いた。
「これは奥様の、今の勤務表とタイムカードの記録です」
叔父が老鏡をかけて、そのを覗き込んだ。
藤弁護士は説を続ける。
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「奥様は総スーパーの本部で、正社員としてフルタイムで働いておられます」
藤弁護士はペン先でつの付を指し示した。
「特にこの、奥様は朝のに社し、翌朝の午まで連続で勤務されています」
夫叔父の目が驚きにきく見かれた。
私の両親も、娘の過酷な労働実態を初めてり息を呑んだ。
藤弁護士の線が義母を鋭く射抜いた。
「お母様が奥様に玄関に積んだ布団を全部洗えと命じたのは、この徹夜けの朝です。極限の疲労状態にあるに朝から労働を命じる。これはいじめではないのでしょうか」
義母は顔を真っ赤にし、をパクパクさせた。
「そ、それは……昔の嫁はそれくらい当たりで……今は……」
藤弁護士のたい言が響く。
「昔話での体を壊す権利は誰にもありません」
その言に、義母は完全に沈黙した。
叔父がりを込めた目で義母を睨みつけた。
「さん、あんた徹夜けの美さんにそんなことを言ったのか」
義母は線を落とし、さくを縮めた。
夫が慌てて母親を庇うようにをいた。
「ま、待ってください。確かに母も言いすぎました。ですが、美が活費の通帳から勝にを引きしたのは事実です」
夫は私が百万円を移させたことを、最の攻撃材料として使おうとした。
「俺が稼いだを、こいつは自分の座に隠したんです!」
その言葉を聞いて、藤弁護士はさくため息をついた。