"3200万円を隠した姑と「養ってやる」の夫" 第13話
ナンバーディスプレイに表示されているのは、見らぬ局番の番号だった。
階からは夫も義母もりてくる気配がない。
私はし迷った、静かに受話器を取りげた。
「はい、佐です」
話の向こうからはし事務な、しかしどこか聞き覚えのある男性の声が聞こえた。
「夜分遅くに申し訳ありません。私、緑方の者ですが」
その言葉を聞いた瞬、私の臓がさくねた。
義母の隠し財産である千百万円が預けられているだ。
男性が続ける。
「佐様はご宅でしょうか?」
私が静に答えた。
「義母なら休んでおりますが、ご用件は承ります」
員はし言いにくそうにをいた。
「実は様の座について、し確認させていただきたいことがございまして」
員が語った内容は、私の予を遥かに超える信じられないものだった。
私は受話器を握りしめ、言葉を失った。
義母の千百万円は、ただのへそくりなどではなかった。
その夜私は、夫と義母が隠していた、さらにい嘘の底に触れることになる。
話の向こうの員は、言葉を選びながら慎に話し始めた。
「本午、様の代理と名乗る若い女性が、私どもの窓にお見えになりました」
私は受話器を持つに無識に力を込めた。
「代理ですか?」
広告
員は答えた。
「はい。様のご本確認類と通帳、印鑑に委任状をお持ちでした」
員の声がしだけく、刻な響きを帯びた。
「その女性は、座から千万円というを、ある産会社の法座へ直接振り込もうとされました」
千万円。
それは昨、私が夫のスーツのポケットで見つけた利用細の残とほぼ致する額だ。
員は説した。
「齢のお客様からの額のお振り込みとなりますので、私どもの特殊詐欺防止の基本ルールに基づきまして、座名義のご族に確認の話を入れる決まりになっているのです」
私が静かに尋ねた。
「ちなみに、その代理の女性は何と名乗っていましたか?」
員は元の類をめくる音をてた。
「『吉川』と名乗っておられました。様の親戚で、入居資の代理続きだとおっしゃっていましたが」
その名を聞いた瞬、私の背筋にたいものがった。
夫のである吉川が、義母の通帳と印鑑を握り、の窓に堂々とっていたのだ。
夫と義母は、赤のであるに千万円を託し、しいの資をかそうとしていた。
私に全てのローンと活費を押し付け、自分たちは次の活への切符をすでにに入れようとしていたのだ。
私は静かに、く息を吸い込んだ。
広告
ここで私がになり、取り乱してはいけない。
経理の仕事で培った静さが、私ののを氷のようにやしていった。
私のたく落ち着いた声に、話の向こうの員がハッと息を呑む気配がした。
「その振り込みは、義母が正式に依頼したものではありません。その女性は私たちの親戚ではありません。振り込みは今すぐ止めてください。詐欺の能性があります」
員は堵したような、そしてし緊張した声で答えた。
「かしこまりました。直ちに振り込み続きを止し、座自体にのロックをかけさせていただきます」
私が伝えた。
「ありがとうございます。今は義母本が窓へかない限り、円のおもかせないようにしてください」
員は答えた。
「もちろんでございます。ご族様にご確認いただけて、本当に良かったです」
話が切れ、リビングには再びい静寂が戻った。
私は受話器をゆっくりと置き、さく息を吐きした。
吉川が窓で断られ、慌てて夫に連絡を入れたはずだ。
だから夫は今の夕方に帰ってきた、あんなにも苛ち、私に当たり散らしていたのだ。
彼らの計画は今この瞬、完全にストップした。
千万円というきなおがかせなくなったことで、しいの購入計画もとの活も全てがに戻るだろう。
私は暗いリビングので、静かに微笑んだ。
これが私の最初のさな反撃の成果だ。