"最終列車で消えた18歳" 第11話
直はうなずいた。
2は姉弟として失われたを、度に取り戻そうとはしなかった。
美紀はに2度町へ戻り、直は名古へく用事があれば子ども堂へち寄った。最初は父の話ばかりだったが、やがて仕事や事、所の来事についても話すようになった。
になるころ、飾学を希望していた女は母親とともに奨学説会へ参加した。学すると決まったわけではないが、なくとも庭内だけで結論をさずに済んだ。
女は学習の伝言板へ、さなを貼った。
《名古の学を見にってきます。帰ったら、母ともう度話します》
昭63、美紀が発したころの伝言板には、列の刻や族への伝言がかれていた。話のない庭もく、駅はとの言葉をつなぐ所だった。
しかし美紀と父のに必だった言葉だけは、そこへ届かなかった。
父にはらせないで。
娘には会いたくないと言っていた。
美紀は来なかった。
信は駅へかなかった。
誰かを守る、誰かのためだという理由で伝言がき換えられ、父娘は35を失った。
学習を閉めるになり、美紀は伝言板のをえた。
ではががり、の切れから夕方のが差していた。
美紀は駅の古い机から、父の信片を取りした。
《あの夜、待の扉をけられなかった》
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父の告を読んでも、すべてを許せるわけではなかった。
入学を取り消されたことも、族を捨てた娘として語られ続けたことも消えない。父が度扉をけていれば、違うがあったかもしれない。
それでも美紀は、父が度も会いたいとわなかったという誤解だけは放した。
父は来なかったのではない。
扉のまで来て、けられなかった。
そのさを理解することと、正しいと認めることは違う。美紀は父のさをったうえで、それを自分の責任にはしなかった。
信片を戻し、待の扉を閉めようとしたとき、直がから声をかけた。
「姉さん、バスが来ますよ」
美紀は振り返った。
かつてホームだった所の向こうに、名古方面へつながるバスがづいていた。最終便ではない。乗り遅れても、翌朝にはまた別の便が来る。
「今きます」
美紀は扉を閉め、今度は自分ので鍵をかけた。
35に使われなかった切符は、ガラスケースのに残った。
それは、美紀が乗れなかった列の証ではない。
初めから、その列だけがを変える唯のではなかったことを示していた。
本当にを族から消してしまうのは、故郷をれる列ではない。
同じ扉の両側にちながら、相の言葉を聞かず、自分の恐れを相の気持ちだと決めつけてしまうことだった。
美紀と直は並んでバスへ向かった。
背の旧駅では、女が残したしい伝言が、夕暮れのにさく揺れていた。
そこには「さようなら」ではなく、こうかれていた。
《帰ったら、もう度話します》