"3ヶ月開けなかった白い封筒と流産した妻" 第18話
会議を終えビルをようとする桜に、直がのドアをけながら言った。
「今夜、予定ないですよね」
桜が彼を見た。
「また仕事の話ですか?」
「いえ、今回は違います。夕でもと、2で」
桜は瞬ち止まった。
直は笑って付け加えた。
「返事は今じゃなくていいですよ」
桜はその言葉にむしろ笑ってしまった。
「じゃあ、今します。いいですよ」
くロビーので、啓介はその景を見ていた。
直が桜の腰にを回したわけでも、特別親密な仕をしたわけでもない。
だが啓介には分かった。
あの男は、桜の返事を待つことができるなのだ。
自分は1度もそんなことはできなかった。
桜が何を望んでいるのかを尋ねるに、いつも自分が答えを決めてしまっていた。
啓介はガラス越しに、桜がに乗り込むのを見つめていた。
突然りして引き止めたいという衝に駆られた。
3、数えきれないほど像した瞬だった。
だが彼は歩もかなかった。
その夜、啓介は港区のマンションに戻った。
3と同じだったが、もはや桜の痕跡を無理に保することはやめていた。
賞期限の切れた惣菜も捨てたし、彼女が設定していた自照も解除した。
ただ、引きしのの赤ちゃんの靴と彼女の最のメモだけはそのままだった。
彼は窓際にち、く京の夜景を見ろしていた。
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スマートフォンには桜のしい番号が登録されている。
調査業務のために公式に教えられた番号だった。
啓介はメッセージの作成画面をいた。
『お疲れ様。ちゃんとご飯べて』
以なら何も考えずに送ったであろう文章。
彼はしばらくそれを見つめてから、全て消した。
代わりにくいた。
『調査期、ご苦労様でした。名グループを救う会を作ってくれて謝しています』
送信ボタンを押してから数分、返信があった。
『会社が再できたのは、まだ残っているたちが諦めなかったからです。これからはそのたちを第に考えてください』
啓介は画面をく見つめた。
返信の文面に名も挨拶もなかった。
それでも彼は初めて、その距を無理に縮めようとはしなかった。
桜は戻ってきた。
だが、彼の妻としてではない。
自分が消えた所でき延び、今や啓介という名がなくても1の完全なとして戻ってきたのだ。
啓介はその事実をようやく受け入れ始めていた。
しかし数、調査が公式に終すれば、桜は再び名グループからっていく。
そして啓介にはまだ、たった1度だけ絶対に伝えなければならない、最の話が残っていた。
名グループの経営改善調査が正式に終した、桜は3自分がった会に最のを踏み入れた。
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窓のには午の遅いが京の並みに差し込み、デスクのには桜が最終確認を終えた報告が置かれている。
啓介はもはや会席には座っていなかった。
役員会の決定に従い、経営の第線から退いた彼は窓際にっていた。
桜が入ってくると、ゆっくりと振り返った。
「来たか」
桜はドアを閉めながら言った。
「最の引き継ぎ類です。来週からは、しい経営委員会が直接指揮を執ります」
啓介は類を受け取らず、桜を見つめた。
この3、彼はこの瞬を何百回と像してきた。
最初は彼女を引き止め、何が何でも戻って来いという面だった。
次には自分が座して謝れば、桜は最には泣きながら許してくれるという面だった。
だがが経つにつれて、その像は変わっていった。
今の啓介は、自分が何を言うべきかよりも、何を言う資格がないのかを先に考えていた。
「約束しただろう」
彼がい声で言った。
「調査が終わったら、俺の話を1度聞いてくれるって」
桜はし黙ってから、向かいの子に腰をろした。
「どうぞ」
啓介は彼女が座るのを見てから、結局デスクの反対側に腰をろした。
2のには、かつての夫婦の親密さの代わりに、もう1座れそうなほどの距があった。
啓介は、その距を作ったのが自分だとっていた。
だから詰めようとはしなかった。
「あの、君が病院から話をくれた」
啓介は話し始めてから、しばらく次の言葉を告げなかった。