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"3ヶ月開けなかった白い封筒と流産した妻" 第14話

啓介は静かに独り言ちた。

「続けたかった」

だがその言葉は3ヶ遅かった。

いや、もしかしたら数遅すぎたのかもしれない。

その瞬、秘がドアをノックして入ってきた。

「会。奥様の件で確認が取れた事項がございます」

啓介は即座に顔をげた。

「どこにいる。所までは分からなくてもいい」

「ただ2ヶ田先が顧問を務める投資会社で部プロジェクトに参加した材のリストが」

啓介のが固まった。

は慎にタブレットを差しした。

画面のの方に、い名が1つ記されていた。

桜。

啓介はその名を指先でなぞるように見つめた。

きていた。

働いていた。

自分のいない所で、自分の名で再び歩きしていた。

彼は勢いよく席をった。

を回せ」

が慌てて頷く。

「かしこまりました」

しかし、ドアのまでってち止まった。

桜がの啓介なら、すぐに駆けつけて連れ戻しただろう。

だが今の彼は初めて考えた。

俺は会いにってもいいなのだろうか。

啓介はしばらくけなかった。

そしてやがて、い声で言った。

「いいや。いい。キャンセルだ」

が驚いた顔で彼を見つめた。

啓介はメモを折りたたみ、胸の内ポケットにしまった。

「どこにいるかだけ把握しておけ。接触はするな」

窓のでは京のが滲んでいた。

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その、啓介は初めて桜を見つけながら、捕まえにかなかった。

そしてまさにその瞬、彼の背にあるモニターには、リナのアカウントから削除されたもう1つのアクセス記録が復元されつつあった。

桜が再び名グループの本社ビルにを踏み入れたのは、彼女が姿を消してから3と2ヶが過ぎたのことだった。

ロビーのも、井からり注ぐたい照も、エレベーターので腰を折る社員たちの仕も、以して変わりはなかった。

変わったのは桜の方だった。

濃いグレーのジャケットにいシャツをわせた彼女は、隙もなくいブリーフケースだけをに歩いていた。

はここに来るたびに、誰かが彼女を呼んだ。

啓介会の奥様、会、名グループの嫁と。

だが今は違った。

受付の女性が丁寧な調で言った。

「アトラスパートナーズの桜様ですね。役員会議は32階でございます」

桜はく頷いた。

エレベーターのドアが閉まる直、直が滑り込んできた。

彼は桜と同じ投資会社で企業再編部を率いている。

この3、何という会社を共に分析し、いくつもの危を乗り越えてきた同僚だった。

が桜を見ながら尋ねた。

丈夫ですか?」

桜は階数表示ががっていくのを見つめていた。

12階、13階、14階。

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「何がです?」

「ここに戻ってくることですよ」

桜はし考えてから答えた。

「会社を見に来たんです。過を見に来たんじゃない」

はそれ以何も聞かなかった。

桜はその態度がよかった。

彼は彼女が耐えられるかどうかを確認はするが、代わりに耐えてやろうとはしない。

エレベーターが32階に到着した。

ドアがいた瞬、桜はかつて自分が最もく待ち続けた廊と再び向きった。

しかし臓は驚くほど静かだった。

グループはこの3で倒産こそしなかったが、もはや以の会社ではなかった。

リナをとした報漏洩事件が発覚した、2つの弁事業が断し、部の関投資は持ち株を放した。

リナが部勢力に渡した報の範囲は予に広かったが、会社全体を破壊するほどではなかった。

問題は事件の呈した内部構造にあった。

、会1の判断に過度に依してきた決定システム。

業績を守るために互いの損失を隠蔽しっていた関連会社。

そして、啓介が精神に崩壊していた期に繰り返された杜撰な投資。

いくつかの事業は売却され、キャッシュフローはかろうじて維持されている状態だった。

役員会は部からの資注入を条件に、経営構造を全面に見直すことを決定した。

そして最も積極な提案をしてきたのが、桜が所属するアトラスパートナーズだったのだ。

会議のドアがくと、話し声がに途絶えた。

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