"3ヶ月開けなかった白い封筒と流産した妻" 第7話
啓介は眉をひそめた。
「俺のせいだとでも言うのか」
ユイは彼をまっすぐに見つめ続けた。
「それも分からずに、どうして探してるの」
啓介は結局何も得られないまま、カフェをた。
だがその夜、ユイの言葉がかられなかった。
自分のを削っていた。
彼は初めて、桜が自分のそばにいるために何を諦めてきたのかをいそうとした。
議なことに、1つもい浮かばなかった。
数、秘が古いカードの利用履歴を1枚慎に報告してきた。
「会。共同の活費座から、先病院での決済が件ございました」
彼はタブレットを差しす。
「奥様の個カードですので詳細は確認できませんが、病院の名だけは」
啓介はタブレットを受け取った。
座にある女性専のクリニックだった。
その瞬、先の夜の景が蘇った。
桜がソファで青い顔をして横たわっていた。
テーブルのには、薬が置かれていた。
その、啓介はシンガポール張の準備でがいっぱいだった。
どこか悪いのかと尋ねた記憶すら定かではない。
たとえ尋ねたとしても、桜は「丈夫」と答え、彼はそれで話を終えてしまっただろう。
啓介はすぐに病院に話をかけようとして、やめた。
患者の報が保護されていることは彼もっている。
代わりに、秘に命じた。
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「そのの俺のスケジュールを持って来い」
数分、タブレットの画面にぎっしりと詰まった予定表が表示された。
午の投資会議。
午のメディア取材。
夜は関連会社の社たちとの会。
そして、夜1140分。
桜からの着信が3件。
啓介は画面をじっと見つめた。
いした。
最の着信があった、彼は会でリナと緒に投資資料を検討していた。
スマートフォンの画面に桜の名が点灯したのを見て、彼はそれを裏返したのだ。
「に帰ってからでいい」
彼はそう言って話を無した。
しかしその、彼が帰宅したのは夜2過ぎだった。
桜はすでにソファで眠りこけていた。
啓介の喉の奥がヒヤリとした。
なぜ病院に?
秘は答えられない。
啓介はふと、会社の引きしにしまったままの、あのい封筒をいした。
だが、その瞬でさえ、彼はそれをけてみようという考えをに移すことができなかった。
封筒をければ、自分が見たくない何かを認めなければならなくなる。
そんな気がしたからだ。
その、桜は京から完全に姿を消したわけではなかった。
彼女は首都圏のさなウィークリーマンションを借りていた。
名をほとんどかさずに活していた。
朝くに起き、ノートパソコンをく。
昼はコンビニのサンドイッチで済ませながら、この数止まっていた自分のキャリアをて直していた。
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結婚、桜は企業戦略とブランド再編の分野で急速に角を現していた若だった。
しかし啓介の会社が傾き始めてから、彼女は自分のキャリアを1つ、また1つと回しにした。
最初は数ヶ伝うだけのつもりだった。
それが数になった。
今、再び始めようとすると、全てがひどく慣れにじられた。
面接用の自己PRをこうとしても、名グループでの実績を具体にせないことにもどかしさをじた。
自分が実際に案した戦略なのに、公式な類には啓介と戦略の名しか残っていないのだ。
あるの午、学代の恩師である田先が彼女に会いに来て言った。
「ゼロからの再発になるかもしれんぞ」
桜は頷いた。
「覚悟しています」
教授が静かに尋ねる。
「悔しくはないのか」
桜はし笑った。
「悔しいですよ。でも、そうさせたのは私自ですから」
彼女はカップに線を落とす。
「自分の名を消すことに、私が1番に協力したんです」
教授はしばらく彼女を見つめていた。
「なら今度は、まず自分の名を取り戻すことだな」
その言葉に、桜は答えられなかった。
代わりに、に持ったコーヒーカップをしく握った。
しいが怖くないわけではなかった。
毎晩1で目を閉じると、あの子を失ったの病院の匂いや、啓介の無関な声が蘇ってくる。
それでも、帰りたいという気持ちだけは、ただの1度も湧いてこなかった。