"3ヶ月開けなかった白い封筒と流産した妻" 第6話
リナが眉をひそめる。
「会。奥様の個資産に関する報は、会社の権限で勝に照会することはできません」
その指摘が気に入らなかったのか、啓介の顎がくなった。
「ならできる範囲で探せ」
リナはし黙ってから、い声で尋ねた。
「奥様が本気でおりになるおつもりなら、探したところでお戻りになるでしょうか?」
啓介がゆっくりと彼女を見つめた。
リナはすぐにをげた。
「申し訳ありません。余計なことを申しました」
啓介はたく言い放つ。
「俺の妻のことを君が判断するな」
リナは「はい」と答えた。
だが、彼が会に入った、彼女の元にはごくさな緊張がった。
啓介がついに揺らぎ始めた。
それはリナにとって危険であると同に、チャンスでもあった。
そのの午の役員会で、予期せぬ問題が起きた。
の関連会社とめていた共同投資案件の収益性分析にい違いがじたのだ。
啓介は会議の途で、元の資料を3度も見返す羽目になった。
以なら、の夜に桜が問題点に気づき、別にメモを残しておいてくれたはずの部分だった。
彼女は公式な役職もないのに、資料にかれた数字そのものよりも、その数字が隠している図を誰よりもく見抜いた。
啓介はいつからかそれを、自分の判断力だと錯覚していた。
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ある役員がおずおずと尋ねた。
「会、この案件、本に承認してしまってよろしいので?」
啓介は反射に「問題ない」と言いかけて、をつぐんだ。
桜なら何に気づいただろうか。
そんな考えが浮かんだ自分に、を覚えた。
彼は元の類を閉じた。
「再検討して次の会議に持ち越せ」
会議が終わると、リナがを追って入ってきた。
「最とてもお疲れのようですね」
啓介は答えなかった。
リナはためらうふりをしてから、しい類を差しした。
「会がごのに備え、部の決済権限を秘と戦略にに委任する案です」
彼女は控えめな態度を崩さない。
「奥様のこともありますし、今部でのご予定が増えるかといまして」
啓介は類にざっと目を通した。
普段なら法務部や企画を通すはずの案件だった。
だが今の彼は、のことでがいっぱいだった。
「この程度なら、君が処理しておけ」
リナの指先が、ほんのわずかに止まった。
「私がですか?」
啓介が頷く。
「些細なことでいちいちげるな。なものだけ報告しろ」
啓介はそのままサインをした。
リナはその類を受け取ると、静かにをげた。
そのから、彼女は以よりはるかに広い範囲の文や、会議のスケジュールにアクセスできるようになった。
1週が過ぎても、桜は戻らなかった。
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啓介は表向きには普段通り社し、会議を仕切っていた。
だが、1に何度もスマートフォンを確認する癖がついていた。
彼は秘にした最初の命令、つまり「誰も先に連絡するな」という指示をまだ撤回していない。
しかしその方で、桜としでも関わりのあった物の名を内密にリストアップさせていた。
学の同期。
昔の職の司。
彼女がよく通っていたの員。
きつけのクリーニングまで。
返ってくる答えはいつも同じだった。
らない。連絡は来ていない。
あるの夜、啓介は桜の学代の親友ユイを直接呼びした。
ユイはカフェの席に座るなり、ややかにをいた。
「今更、どうして探してるの」
啓介はを隠さなかった。
「居所だけでいい。教えてくれ」
ユイはで笑った。
「私もらないわよ」
啓介が眉を寄せる。
「あいつが連絡する相としたら、君が1番いはずだ」
ユイはまっすぐに彼を見返した。
「それは昔の話。結婚してから桜がどれだけくのと縁を切ったかってる?」
彼女の調がしくなる。
「あなたのスケジュールにわせるために、友達の結婚式にも来なかった。あなたのの用事があるって、お葬式の途で帰ったこともあった」
ユイはテーブルに腕を乗せた。
「そのうち連絡すること自体を申し訳がるようになったの。
私は桜が忙しいだけだとってたけど、今えば違った。あの子は自分のをどんどん削っていたのよ」