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"20万円を惜しんだ子供たちと6300万円の絶縁" 第11話

初めての野菜作りは、いのほか楽しいものだった。

毎朝、に触れ、ジョウロでをやり、成を見守る。

しずつきくなっていく野菜の葉を見るのが、課になった。

芽がの純粋なび。

が咲いた

さな実が成ったの達成

そんな々のさな幸せが、傷ついていた私のしずつ癒していった。

私は域のシニアサークルにも参加するようになった。

に数回、くの公民館で集まり、お茶をみながらおしゃべりをする会だ。

同世代の方々との交流は、とても鮮だった。

みんな、それぞれのを懸命に歩んできた方々だ。

苦労した話、楽しかった話、族の話など、様々な話を聞いた。

ある、お茶をんでいる、誰かが何気なく私に聞いた。

田さんは、お子さんは?」

私はお茶のカップを置き、静かに答えた。

「いません」

それは嘘ではなかった。

今の私には、頼るべき子供はいないのだ。

なくともでは、そう決着がついていた。

サークルの仲く追求せず、るく笑って言った。

「でも、1でも丈夫よ。私たちがいるから」

そう言って、みんなが優しく笑ってくれた。

その言葉が、どれほど温かかったことか。

血の繋がった族ではないけれど、支ええる仲がいる。

それだけで分だとった。

しい活が始まって、3ヶが経った頃だった。

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穏やかな々が続いていた。

朝は鳥の声で目覚め、庭の入れをする。

所の方と挨拶を交わし、夕方にはヶ岳を眺めながら温かいお茶をむ。

そんな静かで、しかし充実した毎だった。

あるの午、私は庭にて野菜の入れをしていた。

トマトの脇芽を摘んでいると、突然玄関のチャイムが鳴った。

宅配の配達か、あるいは所の方だろう。

そうって、私はのついたを洗い、タオルで拭きながらドアに向かった。

こんな奥に、誰が訪ねてくるのだろう。

議にいながら、玄関のドアをけた。

ドアの向こうを見て、私は息を呑んだ。

そこには、息子と娘がっていた。

瞬、現実だと信じられなかった。

目のにいるのが、本当に自分の子供たちなのか。

私はドアノブを握ったまま、しばらく言葉がなかった。

娘が、ヒステリックな声をげた。

「お母さん!」

その声には、配ではなく、りと焦りが混じっていた。

娘は私を睨みつけながら叫んだ。

「なんで連絡もなしに、こんなところに引っ越したの!探すのにどれだけ苦労したか!」

隣につ息子も、りを隠そうとしなかった。

「そうだよ!」

息子の声は、みを含んでいた。

顔は潮し、肩で息をして呼吸も荒くなっている。

京からここまで、を運転して探し当てたのだろう。

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私はゆっくりと呼吸をし、静に尋ねた。

「どうやって、ここが分かったの?」

揺を見せないように識して、できるだけ落ち着いた声をした。

息子は吐き捨てるように答えた。

産会社に聞いたんだよ」

彼は苛ちを隠せない様子で続ける。

「個報だから教えられないって最初は断られたけど、実の息子だって説して、何度も頼み込んでやっと教えてもらったんだ」

そして、ついに本題を切りした。

を売ったって、どういうこと?相談もなしに!」

息子がずかずかとに詰め寄ってきた。

私は歩も引かなかった。

この瞬がいつか来るかもしれないと、の準備はできていた。

私は静かに、はっきりと答えた。

「私のだから、私が売っただけです」

2の目を見て、きっぱりと言い放つ。

「あなたたちに相談する必はないと判断しました」

息子は信じられないという顔で声を荒らげた。

「でも、それは僕たちが相続するはずの財産だったんだよ!」

彼は両を振り回し、顔を真っ赤にして叫ぶ。

「6000万円以の価値があったんだよ!」

息子のその言葉を聞いて、私はわず静かに笑ってしまった。

やはりそうだったのだ。

彼らの醜い本音が、ついに呈した。

もう、配するフリすら隠すこともしなくなったようだ。

私は彼らをれむように見つめ、静かに言った。

「相続?」

私は自分の胸にを当てた。

「まだ私はきていますよ。相続は、私がんでから発するものです」

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