"20万円を惜しんだ子供たちと6300万円の絶縁" 第5話
とりどりのが咲いていて、幸せな庭を象徴しているようだった。
私はゆっくりとづき、チャイムを鳴らした。
しばらくして、玄関の扉がいた。
娘が顔を覗かせた。
娘は私を見て、驚いた表を浮かべた。
「お母さん、どうしたの?連絡もなしに」
その表はびではなく、らかに困惑だった。
迷惑そうなが、顔に張り付いていた。
私は痛むに耐えながら、娘の顔を見つめた。
「ちょっと話があって。入ってもいいかしら」
膝をさすりながら、必に訴える。
「膝も痛くて、っているのが辛いの」
娘は扉をしだけけたまま、体をかそうとしなかった。
「今、ちょっと片付いてなくて。玄関先でもいい?」
の様子は見えなかったが、テレビの音が聞こえてきた。
片付いていないわけではなさそうだった。
ただ、のに入れたくないだけなのだろう。
私は諦めて、玄関先で件を切りした。
「膝の件なんだけど、やっぱり術しないと歩けなくなるって言われて」
娘の目を見て、真剣に伝える。
「このままだと、子になるかもしれないの」
娘は線をそらし、そっけない態度で答えた。
「ふうん」
関がないような、く話を終わらせたいような態度だった。
私は両をわせ、娘に向かってをげた。
「本当に困っているの。5万円でも3万円でもいいから、お願い」
涙声になりながら、懇願する。
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「このままじゃ、本当に歩けなくなってしまう」
くをげながら、私は自分の惨めさに気付いた。
自分の娘に、こんなにをげるが来るなんてってもみなかった。
70きてきて、自分の子供にをげて銭を頼む。
こんな惨めなことがあるだろうか。
私が顔をげると、娘の表が曇っていた。
そうな、面倒くさそうな表だった。
娘はため息をつきながら言った。
「お母さん、も言ったけど、今本当に余裕がないの。ごめんね」
私はできなくなり、昨夜見た景をにした。
「でも、SNS見たら沖縄旅にってたわよね」
娘の顔をじっと見つめながら、言葉を続ける。
「あれ、結構おかかったんじゃない?級リゾートホテルっていてあったけど」
私の言葉に、娘の表が瞬くなった。
予期していなかった指摘だったのだろう。
娘はし慌てたように弁解を始めた。
「それはから計画してたやつだから、キャンセルできないし」
さらに理由を並べてる。
「キャンセル料もかかるし、それに子供たちも楽しみにしてたから」
私は黙って娘の顔を見つめた。
「そう」
私はそれ以、何も言えなかった。
言葉が喉に突っかえて、てこなかった。
母親の術よりも、子供たちの楽しみの方が切。
そういうことなのだろう。
娘はしバツが悪そうに言った。
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「お母さん、本当にごめん。また余裕ができたら連絡するから。じゃあ」
そして、く話を終わらせるように付け加える。
「私はこれで。気をつけて帰ってね」
扉は静かに、しかし確実に閉まった。
私がちるに、すぐに閉められた。
私は閉ざされた扉をしばらく見つめた、ゆっくりと背を向けた。
い取りで駅まで歩きながら、私は考え続けた。
自分の育て方が悪かったのだろうか。
もっと厳しくしつけるべきだったのだろうか。
それとも、甘やかしすぎたのだろうか。
を注ぎすぎて、謝のを育てられなかったのだろうか。
帰りのので、私は窓のをぼんやりと見つめていた。
涙が込みげてきて、必にこらえた。
周りの乗客の目が気になった。
70歳の老婆が泣いている姿なんて、誰も見たくないだろう。
に戻ると、私は真っ直ぐに仏壇のに座った。
夫の位牌をじっと見つめる。
その瞬、抑えていたが気に溢れした。
「あなた、私はどうすればいいの?」
涙を流しながら、遺に向かって語りかける。
「子供たちは、もう私を必としていないの?」
声が震え、嗚咽が漏れた。
「訪ねても、扉すらけてもらえないの?」
私は両で顔を覆い、声をげて泣いた。
70きてきて、こんなに孤独をじたことはなかった。
子供がいても、頼れる所がない。
訪ねても、扉はかない。
話をしても、たい言葉が返ってくるだけ。
それが、私の現実だった。
老いるということは、こういうことなのだろうか。