"20万円を惜しんだ子供たちと6300万円の絶縁" 第4話
どこでを踏みしたのだろうか。
子育ての何が悪かったのだろうか。
もっと厳しくしつけるべきだったのか。
それとも、甘やかしすぎたのか。
夜、1で夕をべながら、私はそんなことばかり考えた。
もやしと豆腐の噌汁、キャベツの炒め物をに運ぶ。
それだけの夕だったが、全く喉を通らなかった。
私は箸を置き、じっとテーブルを見つめた。
べ物のが、全く分からなかった。
私は顔をげ、仏壇に飾られたくなった夫の写真を見つめた。
そして、独り言のように静かに語りかけた。
「あなた、私たちの子育ては違っていたのでしょうか?」
写真のの夫は、何も答えない。
「甘やかしすぎたのでしょうか?それとも厳しくしすぎたのでしょうか?」
私は両で顔を覆った。
「私にはもう、分かりません」
写真のの夫は、ただ優しく微笑んでいるだけだった。
答えは、どこからも返ってこない。
翌朝、私は決を固めてをた。
息子のを直接訪ねることにしたのだ。
痛む膝をかばいながら、ゆっくりと駅へ向かう。
話では伝わらないことも、顔を見て話せば分かってもらえるかもしれない。
母親の切実な状況を直接見せれば、をかしてくれるかもしれない。
そんな淡い期待を抱いていた。
に揺られて1、私は座席に座りながらの景を眺めていた。
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交通費も惜しかったが、背に腹は代えられない。
目の駅でり、世田の級宅を歩いた。
やがて、息子のむ築マンションのに到着した。
エントランスには派な植栽が施され、理のがり輝いていた。
オートロックのなドアが、この建物の格式を物語っている。
私のむ古い造宅とは、まるで別世界だった。
私はエントランスのにち、見げるように建物を眺めた。
こんな派なマンションにんでいるのに、母親の術費用はせないのか。
そんないが、再び胸をよぎった。
私は呼吸をしてから、インターホンのボタンを押した。
カメラを見つめながら、応答を待つ。
すぐにスピーカーから声が聞こえた。
「はい。どちら様ですか?」
嫁の声だった。
し警戒しているような、たい印象を受けた。
私はできるだけ穏やかな声で答えた。
「あ、お義母さんです。息子はいますか?」
スピーカー越しの声は、即答だった。
「今、主は留守です」
私はインターホンを見つめ、戸惑った。
本当に留守なのか、それとも会いたくないのか判断できなかった。
でも、その声のトーンから、歓迎されていないことはらかだった。
私は焦りをじながら、言葉を続けた。
「そうですか。実は事な話があって、しだけでも話を聞いてもらえませんか?」
何とか伝えようと、必に言葉を絞りす。
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「膝の術のことで、本当に困っていて」
嫁の言葉が、私の言葉を遮った。
「お義母さん、申し訳ないんですけど」
私は息を呑み、次の言葉を待った。
「今はちょっと取り込んでいまして、また改めて連絡いただけますか?」
声のトーンは、らかに拒絶を示していた。
たく、事務な声だった。
私はすがるようにインターホンに向かって言った。
「でも、しだけでも、5分だけでもいいの。すみません」
嫁の返事は酷だった。
「本当に今は無理なんです。失礼します」
私の言葉が終わるに、インターホンの通話は切れた。
ツーツーという無質な音だけが、虚しく響き渡る。
私はち尽くし、ただ閉ざされたドアを見つめていた。
玄関の扉がくことはなかった。
私は震えるを引きずりながら、ゆっくりとそのをにした。
マンションのエントランスをる、警備員の鋭い線をじた。
審者だとわれたのかもしれない。
私は惨めな気持ちになり、俯きながら駅まで歩いた。
膝が痛んで、途で何度もち止まった。
でも、このままでは諦めきれなかった。
私は駅のホームのベンチに座り、娘のにもってみることにした。
ここまで来たのだから、両方回ってみようとったのだ。
を乗り継ぎ、横浜の閑静な宅へと向かった。
娘のむ戸建てのに到着し、私はを止めた。
るい黄の壁が印象な、しくて綺麗なだった。
さな庭には、入れのき届いた壇がある。