"離婚後、義母のカードを止めました" 第11話
資格を取れば。
稼げば。
企業の社から評価されれば。
ようやく自分には価値があると証できる。
でも、本当は違った。
資格を取るの私にも価値はあった。
専業主婦だったの私にも価値はあった。
噌汁のがいと言われて謝っていた頃の私だって、として何つではなかった。
「今度、母さんと3で温泉でもこうか」
父が言った。
「いいね」
「今度は父さんが払う」
「無理しないでよ」
「じゃあ割り勘だ」
で笑った。
話を切ったあと、机ののスマートフォンが再び震えた。
瞬、胸がざわついた。
画面にはらない番号が表示されている。
半なら、私はるから健か子ではないかと構えていただろう。
今は違う。
「はい、佐藤会計事務所です」
話の向こうから、し緊張した女性の声が聞こえた。
「央商事の社からご紹介いただいたのですが、正調査について相談したくて……」
私はメモ帳をいた。
「もちろんです。お話を伺います」
窓から差し込む午の差しが、デスクのをるく照らしていた。
話を切ったあと、私はふといした。
婚から3。
午2。
ハワイから鳴り込んできた子に、私はこう言った。
「すみません、どちら様ですか?」
あの言葉は、子との縁を切るためだけのものではなかったのだとう。
あのまで私のには、いくつもの名があった。
卒の女。
来の悪い嫁。
エリート社員の妻。
夫に養ってもらっている女。
義母の世話をする。
どれも、誰かが私へ勝につけた名だった。
けれど今、名刺にかれているのはたったつだけだ。
《佐藤涼子》
肩きがなくても、それで分だった。
私はしい依頼ファイルをき、最初のページへ今の付をき込んだ。
誰かに認めてもらうためではない。
誰かを見返すためでもない。
自分で選んだを、自分の名できるために。
窓の向こうでは、夕暮れのにつずつかりが灯り始めていた。
私のも、ようやくここから始まる。