"「籍を抜いてから行け」と言われた嫁" 第4話
卑怯だけれど、積極に誰かを傷つけるようなではない。
そうっていたのです。
「浩司さんは、何と言っていましたか」
田さんはすぐには答えませんでした。
「ほとんど話していません。ただ、私が『所者本か娘さんへ確認しないとめられない』と言った、度だけをきました」
私は無識に麦茶のグラスをく握っていました。
「何と?」
「『妻も事は分かってますから、母の言う通りにしてください』と」
の奥で蝉の声が蘇りました。
私には。
何も。
らされていませんでした。
田さんはさらに、査定依頼の部を指しました。
そこにはい文がありました。
《妻・里見も売却方針について承済み》
その横に。
浩司の署名がありました。
見違えるはずがありません。
結婚して20。
何百回と見た夫の字でした。
ところが田さんは、そこでファイルを閉じませんでした。
「実は、これだけじゃないんです」
奥からもう枚、の振込先がかれたをしました。
が売れたの「希望入先」として記載されていたのは、義父の会社座ではありませんでした。
子の座でもありません。
そこにかれていた名義を見た瞬、私は言葉を失いました。
《ヨシザワ コウジ》
夫自の座でした。
そして額欄の横には、きでこう記されていました。
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《まず800万円をこちらへ。残りは会社へ》
私はから目をせませんでした。
浩司は、ただ母親に逆らえなかっただけなのか。
それとも。
最初から。
私の母のを売る計画に。
自分ので加わっていたのか。
田さんはい表のまま、もうつの封筒を取りしました。
「お母さんは、この類を見たあと、私につ頼んだんです」
封筒の表には。
母の字で。
こうかれていました。
《里見には、浩司さんが何を隠しているのか確認してから渡してください》
私はそので。
封筒をけることができませんでした。
田産をた、私はくの喫茶へ入りました。たいをんでも喉の渇きは消えず、バッグのに入れた封筒ばかりが気になりました。母が「浩司が何を隠しているのか確認してから」といた以、そのには私がまだらない事実があるのでしょう。
30分ほどして、私はようやく封を切りました。
入っていたのは母のと、数枚のコピーでした。
《里見へ。浩司さんが何もらず子さんに連れてかれただけなら、この先は見なくてもいいとっていました。でも田さんから聞いた限りでは、どうも違うようです》
次のには、私のらない消費者融会社の細がありました。
契約者。
吉沢浩司。
残。
約760万円。
私は数字を何度も見直しました。
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浩司の料は決してなくありません。子どもはいませんし、活費の半は義父のに同居することで抑えられていました。それなのに、なぜこれほどの借があるのか、度も聞いたことがありませんでした。
母は元でく働いていたため、偶然この借をったわけではないようでした。
《お母さんもののおを勝に調べたわけではありません。ただ、子さんがを売ろうとした、田さんから「息子さんの借返済も理由らしい」と聞きました。それで弁護士さんを通して確認できる範囲を調べてもらいました》
浩司はネット投資とカードローンを繰り返し、数で借を膨らませていたらしいのです。
そして子は。
会社のにをつけていました。
母が残した別のメモには、吉沢設備の帳簿について自然な点がいくつもかれていました。架空とわれる注費、計された仕入れ、用途の分からない現引きし。私自、経理補助をしながら「ここは私がやるから触らないで」と子に類を取りげられた経験が何度もありました。
当は、嫁に会社のまで見せたくないのだとっていました。
違ったのです。
私に。
見られては困るものが。
あったのでしょう。
そのの夕方、浩司から何度も話がありました。
私はませんでしたが、メッセージだけは読みました。
《いつ戻るんだ》
《母さんもってる》
《婚なんて本気じゃないよな》