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"頭金300万を1万円にした婚約者の末路" 第13話

内弁護士の読みは正確だった。

が送達された翌、法律事務所の話が鳴った。 たのは悠馬だったという。震えがった声で「裁判だけは勘弁してほしい」「母も同席して話しいたい」と懇願してきた。勤務先に内容証が届いたことで、社内でのを失う恐怖に直面したのだろう。

の午。 法律事務所の第会議で、私たちは顔をわせた。

テーブルを挟んで、私と内弁護士が座る。 向かい側には、佐伯登紀子と悠馬のが並んでいた。

に私の部で踏み込んできたときの尊さは、登紀子の姿からは完全に消え失せていた。髪交じりの髪を無造作に束ね、化粧もまばらで、ひどく老け込んだように見える。 その隣の悠馬は、仕ての悪いスーツの胸元をさくすぼめ、爪を噛みながら線を泳がせていた。

「……咲良」 悠馬が掠れた声で私を呼んだ。 「その顔……まだ青いよ。痛むのか? 本当に、あのときはどうかしてたんだ。信じてくれ、おを傷つけるつもりなんて――」

「佐伯悠馬さん」 内弁護士がく、よく通る声で遮った。 「本の席は、個な弁解を聞くではありません。桐咲良さんの代理として、通に記載した請求内容に対する貴殿らの確な回答を求めます」

登紀子がビクリと肩を揺らし、すがるような目で弁護士を見た。

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「あ、あの……弁護士の先。私ども、決して咲良さんのおを騙し取ろうなんてっていなかったんです。息子の結婚相ですから、族として……根ので仲良く暮らすための準備として、良かれとってやったことでして……」

「良かれとって、座から承諾なく百万円を引きし、の氏名を冒用してに提したのですか?」 内弁護士は切のを交えず、卓類を枚ずつ並べていった。

「まず、こちら。桐さんの個座から佐伯登紀子さんの座へ百万円が送された記録です。そのうち百万円が桐さんの特財産であることは、過の定期積の推移から完全に証されています。法に見れば、これは当利得であり、民法条に基づき全額の即返還義務が発します」

登紀子が息を呑む。

「次に、都ホームに提された【事同】。桐咲良さんの氏名が悠馬さんの跡で無断記入され、文判が押印されています。これは刑法第百条の印私文偽造、および第百条の同使罪に該当する為です。すでに都ホーム側も偽造の事実を認めており、警察への被害届提に協力する向を示しています」

「警察……!?」 悠馬の顔がに変わった。 「待ってください! 会社にだけは……科なんてついたら、俺、懲戒解雇になっちゃいます!」

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「それを決めるのは貴方たちではありません」 内弁護士は然と続け、最枚の診断を突きつけた。 「さらに、桐さんの自宅へ鍵を用いて無断侵入した居侵入罪。財を損壊した器物損壊罪。そして、桐さんの顔面を殴打した暴傷害罪。全治の診断と、通報記録がします」

静まり返った会議に、をめくる乾いた音だけが響いた。 登紀子は唇をわななかせ、膝ののハンドバッグの具を狂ったようにいじり始めた。

「……で、でもね先」 登紀子はなおも往際悪く、目遣いに私を睨んだ。 「咲良さんが鳴り込んで事を止めさせたせいで、うちのリビングはが剥がされたままなのよ!? も効かない、隙が入ってくるような廃墟みたいなに、私はで放りされたの! からは解体費用の請求まで届いて……あんなの、咲良さんがが儘を言わなければ、今頃綺麗なお呂とキッチンができていたはずなのに! 私たち被害者よ! なんで私たちが責められなきゃいけないのよ!」

自分のしでかした犯罪のさを、この女はまだ理解していなかった。 どこまでも被害者のポジションにしがみつき、のせいにして、自分の遇を喚きてる。

私はく息を吸い、テーブルのの登紀子をまっすぐに見据えた。

な罵倒も、声もいらなかった。 ただ、現実というたい氷の板を、彼女の目のに差しすだけで分だった。

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