"娘がいない夜も、足音がした" 第11話
8万円を無駄だったとはわないが、それを罪の証拠として見ることもなくなった。
机の横には、音響調査報告と解決を入れたファイルがある。必なら取りせる所に置き、毎眺めることはしない。証拠は活のではなく、活を取り戻すための具だった。
午1043分、もう計を確認しない夜がしずつ増えていった。咲がをみに廊を歩き、私が子を引く。階では幼い子が寝返りを打ち、隣では川が夜勤から帰る。
建物は、完全には静かにならない。
それでも私たちは、誰かの音をすぐ罪に変えず、自分の音を恥じすぎず、同じ壁ので暮らしていける。
あの夜、空の部で鳴った音が証したのは、咲が犯ではないことだけではなかった。私が謝るのをやめても、暮らしは壊れないということだった。
窓をしけると、どこかのから掃除の音が聞こえ、駐では自転のスタンドが鳴った。以ならつずつ苦につながる能性を考えただろう。今は、と続き方を確かめてから判断すればよいとえる。
静かにするべきには静かにし、困ったには記録して話す。違えたなら直し、違っていないことまで引き受けない。特別にいになったわけではない。ただ私は、娘と並んで普通に歩くための方法を、ようやく覚えたのだ。
その音を、もう誰かに許してもらう必はなかった。