"地上二メートルから見上げる逆転の空" 第14話
これ本取れりゃ、うちの職をあと増やしたって、来いっぱいは余裕でっていける!」
商会の推薦枠を通じて届いた、公募の説会への招待状だった。
だが、卓郎は面に印刷された現の所を見た瞬、指先が凍りついたようにかなくなった。
駅再発区、区。
のあの、父・義雄がごと転落し、命を落とした、まさにその同じ区だった。
あの以来、卓郎は社用のハンドルを握るですら、その交差点を通るルートを頑なに避けて回りをしてきたのだ。
「……くしかねえだろうが」
久保田が分い帳をバチンと閉じ、卓郎の目を据わった線で見据えた。
「先代だって、あんな抜き事の巻き添えで、浦組の仕事をあそこで終わらせたつもりはねえはずだ」
説会の当。
卓郎は、濃紺の作業を着た薫と久保田を連れ、元請けの巨なプレハブ現事務所へと向かった。
会議に並んだ社い請け業者の顔ぶれので、作業員わずか名の浦組は、誰の目から見ても最もさく、みすぼらしい零細企業だった。
受付で配られた分い施計画の表を見て、卓郎の隣に座っていた薫の呼吸が、ピタリと止まった。
そこにされていた元請けゼネコンの社名。
『彩テクノ建設株式会社』。
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薫の顔から、サーッと血の気が引いていくのが横顔越しに分かった。
卓郎もまた、膝ので資料を握りしめるにギリギリと力が入った。
「……望さん。無理なら、ので待っていてください」
「いいえ」
薫はを見据えたまま、度く目を閉じ、再びいた。
「仕事ですから。丈夫です」
定刻の午になり、会議方のスライドドアがいた。
入ってきたのは、背がく、焼けをまったくしていない滑らかな肌の男だった。糊のきいた真しい作業の襟元には、アイロンの折り目がきっちりと残っている。
「本事の現代理兼、事課を務めます、篠原と申します。本はお集まりいただき、ありがとうございます」
卓郎の隣で、薫の膝のの指が、ピクリとねた。
事の概説が通り終わると、篠原は元のリモコンを操作し、正面の巨スクリーンにしいスライドを投した。
「今回の駅第期事におきましては、敷境界線が極めて狭であるため、当社の発いたしました特許願の法を、全面に採用いたします」
スクリーンに映しされたのは、で平らに畳まれた、見覚えのある方形の属フレームの図面だった。
次のスライドで、そのフレームがテコの力で引き起こされ、斜めの筋交いがカチャリと噛みって自する3Dアニメーションが再される。
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「『彩フラット架構法』と名付けております。狭であっても、すべての部材を全なで組みててから引き起こすため、危険な所作業を従来比でパーセント削減することが能です。社内の技術コンペにおきましても、最優秀技術賞を獲得いたしました」
会議のあちこちから、「ほう……」「これは狭い所で助かるな」と、社の担当者たちから嘆のざわめきががった。
「現、基本特許を願でございます。次請けとして参加される協力会社の皆様には、事に当社の施講習を受講していただいたで、現に入っていただくことになります」
落ち着いた、いかにもエリート技術者らしい流暢な語り。
その声を聞きながら、卓郎の隣で薫が、蚊の鳴くような、掠れた息の声を漏らした。
「……継ぎの位置が、センチになってる……」
卓郎は横を向いた。薫はスクリーンの点を見つめたまま、瞬きすら忘れていた。
「本当は……センチでなければ、具が干渉して途で止まります。私がノートにきした、数値をき違えて線で消して、横にとき直したんです。あのは……消してあった方の、違えた数字をそのまま図面に起こしている……」
その言を聞いた瞬、卓郎ので何かが激しく弾けんだ。
技術を盗まれたことの無さだけではない。
盗んだ張本であるこの男は、その数字が持つ力学なすら、何つ理解していなかったのだ。