"屋根裏の義父と亡き姑に憑かれた愛人" 第8話
私は再び首を傾げた。
「え?」
義父の異常なには本当に戸惑った。
しかし、言われた通り息を殺し、の階の様子に注を払うと。
確かに、今までにこので聞いたことのない、気な異音が聞こえてきた。
コツン、コツンという音と、何かを引きずるような音だ。
私は震えがり、義父の腕を掴んだ。
「な、何、この音は……」
異音に気づき、私は義父に倣ってを見てみることにした。
板の隙や、扉の隙からの廊を確認することができることに気がついた。
私はにいつくばり、隙から目を凝らした。
そこから見えた景が、また背筋が凍るような異様なもので。
あので見かけた、に似た配の女性が、血った狂気の顔で廊を歩き回っていたのである。
女性のには、鋭くるハサミが握られていた。
「真美、どこにいる!太を誘惑する女は絶対に許さない!」
私は自分のを疑い、息を呑んだ。
「え!?私のことを探してる!?」
の目は太の浮気相ではなく、正妻である私である。
そう確信できるぐらい、私へのみ節がはっきりとから聞こえてしまった。
私は喉がカラカラになり、唾をみ込んだ。
「ごくっ……もしかして、私はあの女に命を狙われているのか!?」
ハサミを振り回すの異常な様子からして、きっとそうだ。
私はの危険を本能にじて、恐怖で息をんでいた。
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私はパニックに陥り、を抱えた。
「ああ、体どうしたらいいの……」
私は恐怖と戸惑いが混ざりい、完全にがすくんでしまっていた。
だが、その震える私の様子を見た義父が、力く肩を叩き声をかけてくれた。
「このままではだめだ。いつあの女がここをけて現れるかもしれないから、窓から逃げろ」
私は義父を置いていくことに躊躇し、涙目で訴えた。
「え、でも、そしたらお父さんが……」
義父は優しく微笑み、首を横に振った。
「わしのことなら、配しなくても丈夫だ。とにかく、婚が成するまでは絶対に太と会わないように、そのことだけを考えろ」
私は義父の覚悟に触れ、涙を拭って頷いた。
「わかりました」
今、義父は自分の命をかけて、必に私のことを守ってくれようとしているのだろう。
その尊い気持ちに報いるためにも、今は自分のの全を守りき延びることが最優先だとえるようになった。
私は窓をけ、根を伝ってりる準備をした。
慌ててびして、でと鉢わせになってはいけない。
私は隙から、の向の様子を注く伺っていると……
は苛ったように壁を蹴りばした。
「ちっ……真美のやつ、いつか必ず見つけて殺してやるからな!」
はそう恐ろしい捨て台を吐いて、別の部へとちっていった。
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義父はく息を吐き、私に向き直った。
「ったか……真美さん、これを受け取ってくれ。そしたらすぐに、君もこのをていくんだ」
義父は懐から、通の分いを取りした。
私は震えるでそれを受け取り、くお辞儀をした。
「は、はい、わかりました」
こうして私は義父からを受け取ると、夜のに紛れてをびすようにていった。
その、私は全なホテルにを隠した。
私はもって用しておいた弁護士を通じて太に婚届を突きつけ、同に浮気の額の慰謝料も請求した。
興信所で調査した結果の報告も添付した。
それにより、太が勤務に抜けして浮気していた事実も発覚。
弁護士を通じて会社に連絡をしてその証拠を伝えたことで、夫は懲戒解雇されることになった。
無事に婚が成したことで、私は弁護士事務所で慰謝料の話もあり、元夫と顔をわせたのだが。
太は反省するどころか、ふんぞり返って私をで笑った。
「ふん!おなんかと婚しても、どうせきこちゃんと緒になるし俺は平気だよ!」
彼はポケットから切を取りし、テーブルに投げ捨てた。
「それに、もうすぐがに入るから、慰謝料くらいポンと払ってやるよ」
私はややかな目で彼を見つめ、切を回収した。
「それは、どうも」
元夫はそう言ってがりながら、慰謝料を括で全額払ってくれた。
そして、このにはなぜか、あの若いのきこも同席していたのだが。