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"消された名前" 第12話

でも、向きが経営者になるんじゃないでしょうか」

彼女はし笑った。

さんも、そうだったんですか?」

私はし考えた。

そして答えた。

「昔は、誰かを信じることばかり考えていました」

「でも今は」

「自分を信じることを覚えました」

そのの夕方。

久しぶりに圭介から連絡が来た。

し話せないか』

私はしばらく画面を見た。

なら。

すぐに会っていた。

でも。

今はを選ぶことができる。

私は返信した。

『30分なら』

待ちわせ所は。

昔よくった喫茶だった。

圭介は先に来ていた。

より痩せていた。

「元気そうだな」

「あなたも」

それだけだった。

昔なら。

その言のに。

もの会話が続いた。

でも。

今は。

なことだけが残っていた。

「会社は?」

私が聞くと。

圭介はし笑った。

「何とかやってる」

「何とか?」

「今まで、見えていなかったものが見えるようになった」

私は黙って聞いた。

「社員のこと」

「取引先のこと」

「周りのが、どれだけ支えてくれていたか」

圭介はカップを見た。

「そして」

「由美のこと」

私は何も言わなかった。

「俺は」

圭介が続ける。

「由美がいたから成功できたとっていた」

「でも」

「本当は違った」

私は彼を見る。

「何が?」

「由美がいたから成功できたんじゃない」

「由美がいたから、俺は失敗してもがれたんだ」

その言葉を聞いて。

しだけ胸が痛んだ。

なぜなら。

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それは20に聞きたかった言葉だったから。

でも。

今聞いたからがあるのかもしれなかった。

に戻るためではなく。

を終わらせるために。

「圭介」

「何?」

「あなたは、私を失ったとってる?」

彼はし考えた。

ってる」

「でも」

「違う気もする」

私は黙った。

「俺が失ったのは」

「由美というじゃない」

「由美がいることを当たりだとっていた自分だとう」

私は窓のを見た。

にはたくさんのが歩いていた。

誰も私たちをらない。

それがよかった。

「再婚しないの?」

突然、圭介が聞いた。

私はし笑った。

「今は考えてない」

「そうか」

「でも」

私は続けた。

「寂しいから誰かといるには戻りたくない」

圭介は静かに頷いた。

圭介はさな封筒を渡した。

「何?」

「会社の資料」

私は首を振った。

「もう必ない」

「違う」

圭介は言った。

「これは会社の資料じゃない」

に帰ってける。

には。

古い社員証。

20のもの。

そして。

枚の写真。

創業当

私。

圭介。

佐伯さん。

で写っている。

裏側には。

しい文字がかれていた。

製作所を作ったたち』

その

もう

『名を消してしまったを、俺は忘れない』

私はしばらく、その写真を見ていた。

20

私は自分の名を失った。

でも。

本当は。

誰かに奪われただけではなかった。

私自も。

「支えることが

そう信じすぎていた。

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には。

違った選択がある。

誰かを傷つける選択もある。

でも。

そので。

自分のをもう度選び直すことはできる。

由美という名は増えた。

会社の社としてではない。

としてでもない。

誰かの妻としてでもない。

として。

ある

昔の会社から通のが届いた。

は圭介。

にはい文章だけだった。

『あの、君の名を消したことを悔している』

『でも』

『君が自分の名を取り戻したことを、番嬉しくっている』

私はそのを閉じた。

窓のを見る。

夕暮れだった。

昔なら。

このになると夕の準備をしていた。

誰かの帰りを待っていた。

今は違う。

私は自分ののために。

机のの仕事を片付ける。

22

私は誰かのを支えていた。

でも。

に分かった。

支えることと。

消えることは。

同じではない。

そして。

私はようやく。

自分の名で。

自分のを歩き始めた。

(完)

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