"寝室の異臭を隠した夫の本当の目的" 第8話
それに対する健の返信を見て、私は声にならない鳴をげ、自分のを両でく塞いだ。
『当たりだろう。由美を精神病院に入れたら、あいつの荷物と緒に全部ゴミにすよう。位牌なんてただのの板だしな。まゆみと俺のしいに、んだジジババのガラクタなんて必ないさ』
画面を持つがガタガタと激しく震えた。
両親の位牌をただのの板、ゴミにす。
私の両親はさな商を営みながら朝から晩までだらけになって働き私を育ててくれた。
その両親が私のために残してくれた1500万円の遺産をこの2は平然と盗みし、自分たちの居の資に当てたのだ。
そればかりか私のを引き裂くように、両親の魂が宿る切な仏壇すらもゴミとして捨てようとしている。
私はスマートフォンを胸に抱いた。
「お父さん、お母さんごめんなさい。私が馬鹿だったから」
ポタポタとスマートフォンの画面に私の涙が落ちた。
私はなんて愚かだったのだろうか。
夫にされていると信じ、義母に認められようと必に尽くしてきた25。
私はただ彼らにとって都の良い財布であり、政婦であり、最は精神病棟に捨てるためのゴミでしかなかったのだ。
その、エプロンのポケットに入れていた私のスマートフォンが震えた。
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画面を見ると義母の浩子からの着信だった。
私は呼吸を繰り返し、涙を拭い、声の震えを抑え込んでから話にた。
私のセリフ:「はい。お義母さん」
義母はヒステリックな声をげた。
「由美さん、今すぐうちに来なさい。は町内会の役員が来るっていうのに、玄関のタイルが汚れているのよ。あなた先週ちゃんと掃除しなかったでしょう」
相変わらずの命令するようなたい声だ。
以の私なら「申し訳ありません。すぐにきます」と慌ててをびしていただろう。
しかし今の私には、義母の底れぬ悪の全てが見えていた。
健とまゆみのに子供ができたことをび、私の親ので建てた居ので満面の笑みで写真に写っていた義母。
彼女もまた私を精神病棟に送り込む計画の共犯者なのだ。
私は切のを顔にさずに答えた。
「はい。今から向かいます」
私はを完全に殺し、械のように答えた。
ここで取り乱したりりをぶつけたりしてはいけない。
もししでもになれば、彼らはそれを精神状態がおかしい証拠として録音し、入院同を正当化する実に使うだろう。
私は絶対に狂っていない。
だからこそ最まで従順な妻を完璧に演じ切らなければならないのだ。
自転を漕いで義母のに向かう、の終わりのぬるいが頬を撫でた。
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義母のに着くと、浩子は腕を組み嫌な顔で玄関先にっていた。
義母は私をたく睨んだ。
「遅いわね。健がいないからって気が抜けているんじゃないの。ほら、バケツとデッキブラシはそこにあるから、垢1つ残さないように磨きなさいよ」
義母はそう言い捨てると、自分は涼しいクーラーの効いたリビングへと戻っていった。
私は黙って膝をつき、たいで濡らしたスポンジで玄関のタイルを1つ1つ磨き始めた。
タイルの汚れを擦りながら、私ののにはあのベッドのにあった呪いのような私の顔写真と、両親の位牌をゴミと呼んだ健の言葉がぐるぐると渦巻いた。
1ほどして玄関の掃除を終え、を洗うために洗面所へ向かおうとしただった。
リビングのドアがき、義母がたい麦茶の入ったグラスを持って現れた。
義母は私を見ろした。
「終わったの。まあ、これくらいは当然ね。あら、ガチャン!」
突然義母のからグラスが滑り落ち、廊のフローリングにたい麦茶と氷、そして鋭いガラスの破片が散乱した。
私は驚いて振り返った。
義母は々しい顔で言った。
「やだわ。が滑ってしまったわ。由美さん、悪いけれどこれも拭いておいてちょうだい。ガラスで怪をしないようにね」
義母の顔には申し訳なさなど微もなかった。
わざと落としたのだ。
私をにいつくばらせ、片付けをさせるために。