"寝室の異臭を隠した夫の本当の目的" 第4話
義母は湯呑みを持ったまま、ふっとありげな笑みを浮かべた。
私は義母の顔を見つめた。
「るくなるとは、どういうでしょうか?」
私が尋ねると、義母はハッとしたように元を押さえ、すぐにややかな表に戻った。
義母は線を逸らした。
「あなたには関係のないことよ。ただの独り言。とにかく、健が帰ってくるまでに美しい夕の仕込みくらいしておきなさい。私は所の方とお茶会の約束があるから、もうくわ」
義母はそれだけ言い残すと、そそくさとをていった。
関係のないこと。るい未来。その言葉が私ののでぐるぐると渦を巻いていた。
義母は何かをっている。
それも私にとって決定に利になる何かな秘密を。
私はリビングのドアを閉め、急いでクローゼットへと向かった。
先ほど隠したピンクの母子健康帳を取りし、震えるでページをめくる。
母親の名は伊藤まゆみ。齢は38歳とかれていた。
そして帳のに挟まっていた、1枚のさなレシートのような切れに目が留まった。
それは都内にある級ジュエリーショップの領収だった。
品名はダイヤモンドリング。額は50万円。
宛名は違いなく健となっていた。
しかし私を1番震えがらせたのは、その額でも宛名でもない。
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そこに印字された付だった。
昨の1015。
これは私たち夫婦の結婚25周の婚式のだった。
健はその、どうしてもせない張が入ったと言ってを空けていた。
私は1でスーパーのいお惣菜をべながら、25の節目を祝うこともなく静かに夜を過ごしたのだ。
にいたはずの夫が、その都内のジュエリーショップで伊藤まゆみという女のために婚約指輪のようなものを買っていた。
そして義母の「の未来はるくなる」という言葉。
全てが1つの恐ろしい真実に向かって繋がり始めていた。
あのカビ臭いベッドのの空で、彼らは私のを静かに終わらせ、しい族を迎え入れる準備をしていたのだ。
指先がたくなるのをじながら、私はその領収をきつく握りしめた。
私は歯をいしばり、言葉を絞りした。
「もう絶対に許さない」
誰もいないリビングに私のく静かな声が響いた。
夫の健が3の張から帰ってきたのは、そのの夜遅くのことだった。
玄関のドアがく音がして、私は急いで迎えにた。
私は々とをげた。
「お帰りなさい。お疲れ様でした」
いつものようにをげて夫のビジネスバッグを受け取ろうとした。
健の体から微かな匂いが漂ってくるのに気がついた。
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これはタバコや居酒の匂いでも、ビジネスホテルの無質な匂いでもなかった。
甘くしだけっぽい、若い女性が好んでつけるようなフローラル系のの匂い。
健は靴を脱ぎながら言った。
「おい、呂は沸いているか?疲れたからすぐに入りたいんだ」
健は私の顔を見ることもなく、嫌そうにネクタイを緩めながらリビングへと向かった。
私は平静を装った。
「ええ、沸いていますよ。着替えをしておきますね」
私は平静を装いながら、健がソファに投げしたスーツの着をに取った。
その、着の内ポケットからカサリとの擦れる音がした。
クリーニングにすにポケットのを確認するのは、この25私がずっと続けてきた習慣だ。
ポケットからてきたのは1枚のレシートだった。
健は今回、福岡の取引先へくと言っていた。
テーブルのには、いかにも駅の売で急いで買ったような太子のお菓子がお産として置かれている。
しかしそのレシートに印字されていた名は、都内にある級イタリアンレストランのものだった。
付は張の2目、つまり昨の夜だ。
数は2名。注文内容には価なシャンパンのボトルと、女性が好みそうな鮮やかなデザートのコースが記されていた。
お会計は2で5万円を超えていた。
張だと言ってを空け、そのは都内で別の女と豪華なディナーを楽しんでいた。
そして帰りがけに京駅かどこかで適当な福岡産を買ってアリバイを作ったのだろう。