"寝室の異臭を隠した夫の本当の目的" 第1話
奥様く来てください。
静まり返った平の午ののに、リフォーム業者の田さんの痛な叫び声が響き渡った。
私はキッチンで温かいお茶を淹れていた。
エプロンをつけたままの私は、そのただならぬ声のトーンに驚き、持っていた湯呑みを危うくに落としそうになった。
私はキッチンをびし、廊をった。
「どうしましたか?」
急いで夫婦の寝へと駆け込んだ。
そこには、い材のダブルベッドが壁際へと押し除けられていた。
収納の扉がけ放たれている。
田さんは顔面を蒼にして、ち尽くしていた。
普段は温で黙々と作業をしてくれる田さんが、まるで見てはいけないものを見てしまったかのように、ガタガタと肩を震わせている。
田さんは青ざめた顔のまま、私を振り返った。
「奥様、これ警察を呼んだ方がいいかもしれません。いや、でもまずは奥様が見てください」
田さんは言葉を詰まらせながら、け放たれた収納の暗がりを指差した。
そこからは、この1週私を悩ませ続けていたあの異臭が、何倍にも濃くなって部に充満していた。
甘ったるいような、それでいてひどくカビ臭く、物が腐ったような、胃の奥がひっくり返るような烈な悪臭である。
私は元をハンカチで押さえながら、恐る恐るベッドのの収納を覗き込んだ。
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その瞬、私の全からさっと音をてて血の気が引いていくのが分かった。
膝の力が抜け、私はそのにへたりと崩れ落ちた。
私は震える声で呟いた。
「嘘。そんな、どうしてこれがそこに……」
そこにあったのは、ただのゴミやカビではなかった。
私の25の結婚活が全て偽りだったことを突きつける、おぞましい真実の塊だったのだ。
事の発端は、1週ほどに遡る。
最寝に入るたびに、妙な匂いがすることに気がついた。
最初はし部干しの匂いが残っているのかなとう程度だった。
しかしが経つにつれてその匂いはくなり、夜ベッドに入るとのからじわじわといがってくるようないカビ臭さがあった。
夫の健にそのことを相談したのは、3の夕のである。
健は堅メーカーで営業部を務める55歳だ。
では物腰が柔らかく部いの妻として通っているが、のでの彼は全く違う。
私は卓の向かいに座る夫を見つめた。
「あなた、寝のベッドのあたりから変な匂いがしない?カビというか、何かが腐っているような。度ベッドをかして掃除したいんだけど」
私がそう言うと、健は噌汁のお椀を持ったまま、たい目で私を見据えた。
健は嫌そうに眉をひそめた。
「おのがおかしいんだろ?俺は何もじない。
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それにあのベッドはいんだ。おが1でかしてに傷でもつけたらどうするんだ?余計なことはするな」
私は引きがれず、いがった。
「でも、本当にひどい匂いが……」
健はお椀を乱暴に置き、声を荒らげた。
「うるさいな。俺が疲れて帰ってきているのに、つまらないことで煩わせるな。どうせ暇を持て余して神経質になっているだけだろう」
健はそう吐き捨てると、そそくさと自分の斎に引きげてしまった。
結婚して25、私はずっと彼のご嫌を伺いながらきてきた。
義母の浩子からのない嫌にも耐え、健が仕事に集できるよう事の切を完璧にこなしてきたつもりだった。
それでも健は私を自分よりのとして扱い、私の言葉にを傾けることはなかった。
しかしその匂いだけは、どうしてもできなかった。
夜になると息苦しくなり、私はリビングのソファで眠るが増えた。
健はそれを見ても「勝にしろ」と言うだけだった。
そして今、健が3の方張にかけたのをに、私はい切って所で評判の良いリフォーム業者の田さんを呼んだのだ。
の配管から漏れでもしているのではないかとったからだ。
田さんは到着するなり、寝の空気を嗅いで顔をしかめた。
田さんは首を傾げた。
「奥様、これは確かに変な臭いですね。漏れのカビだけじゃないような。