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"48歳の誕生日、母親をやめました" 第10話

「いつもはお母様がすぐにんできて対応してくださっていたのですが」

その言葉に彦は、胸を鋭く刺されたような気がした。

彦はわず繰り返した。

「いつも」

教師はため息をついた。

「はい。健太君は今に入って、これで3度目の問題です」

彦は全くらなかった。

健太が学で問題を起こし、その度に久美子がげにっていたこと。

父親の自分に言えば、激して健太を殴るかもしれない。

だから久美子は全て1で抱え込み、秘密裏に解決していたのだ。

自分を守ってくれていた母親に、健太は弁当がないと文句を言っていた。

そして彦はそんな妻を、何もできない女と見していたのだ。

彦は絞りすように言った。

「分かりました。今からきます」

彦は話を切り、そのに崩れ落ちた。

事も介護もおも、子供の問題も。

このの全てを、久美子1が支えていた。

それが失われた今、このはもはやとして成りたなくなっていた。

彦は急いで会社に休みの連絡を入れた。

そしてシワだらけのスーツのまま、健太のへ向かった。

応接に入ると、苦しい空気が漂っていた。

活指導の教師が、険しい顔で座っている。

その向かいには、顔に痣を作った徒がいた。

そしてりに震える相の両親の姿があった。

彦は慌ててげ、空いている席に座った。

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彦がいた。

「この度はうちの息子が申し訳ありません」

の父親が勢いよくがった。

「申し訳ないで済む話ではありませんよ」

の父親は机のに、壊れたスマートフォンを置いた。

「健太君に無理やり壊されたんです」

彦は言葉を失って、その証拠を見つめた。

健太は部の隅で、ふてくされた顔で座っている。

反省のは微も見えなかった。

の母親がたい声で彦に言った。

「今までも奥様には何度もお話ししてきました」

の母親は彦を睨んだ。

「その度にお母様は泣きながら謝ってこられました。息子には2度とさせないと約束してくれたんです。それなのに父親のあなたは、全くらなかったんですか」

彦は鋭い刃物で胸を刺されたような気がした。

妻がげて、に泣いて謝っていたのだ。

自分が会社で偉そうにしている裏側で、妻はたった1族のをかぶっていた。

彦はがり、げた。

「本当に申し訳ありませんでした」

で初めての、屈辱座にい謝罪だった。

族はたい線を投げたまま、部ていった。

残された彦に、教師がため息をついて言った。

「健太君は3学処分となります。ご庭でしっかりと話しってください」

彦は無言で健太と歩いていた。

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健太が全く反省していない態度で聞いてきた。

「なんでおが来るんだよ。母さんは」

その言葉に彦のりがついに爆発した。

彦がきな声で鳴る。

「お自分が何をしたか分かってるのか」

健太はで笑った。

「あいつがむかつくこと言ったからだろ。俺は悪くない。母さんなら分かってくれたのに」

その言葉を聞いて、彦はく拳を握りしめた。

母親を、ただの便利な方としかっていないのだ。

自分がどれだけ母親を傷つけていたか、全く気づいていない。

それは彦自も、全く同じだった。

に帰ると、さらに絶望景が待っていた。

台所から美結の泣き叫ぶ声が聞こえてきた。

「もう嫌だ。こんな絶対に嫌」

彦が急いで台所に向かうと、美結がに座り込んでいた。

お気に入りのは、昨の洗濯で全て落ちしている。

流し台には、悪臭を放つ器が積みになっていた。

蔵庫のには、べるものが何ひとつ残っていない。

美結はさな子供のように声をして泣いていた。

「お腹空いたよ。お母さんどこっちゃったの」

まで母親をバカにしていた気な態度は、もうない。

泣き声を超え、居から忍のうめき声が聞こえてきた。

彦が慌てて駆けつけると、忍が胸を押さえて倒れていた。

彦は忍の肩を抱き起した。

「親父、どうしたんだ」

忍は顔を歪めて懇願した。

「苦しい。薬を、血圧の薬をくれ」

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