"夫の娘は、私にだけ謝った" 第9話
58歳の。
夫から突然、
《娘が見つかった。だから婚してくれ》
と言われた。
あの。
真由美は。
見らぬ女に。
34の庭を奪われるのだとった。
でも。
違った。
綾は。
何も奪わなかった。
むしろ。
族のに隠れていたものを。
表へした。
隆司が。
自分のを誰かのためという言葉に置き換える癖。
真由美が。
夫婦はく続けば続くほど価値があるとっていたこと。
里奈が。
父親を理解することと、方になることは同じではないとったこと。
が。
庭を守るとは、黙って耐えることではなく話し続けることだとったこと。
そして綾自も。
「捨てられた娘」
というつの物語から。
しずつへた。
誰かだけが。
正しかったわけではない。
誰かだけが。
族を壊したわけでもない。
は。
事をれば。
つ所が変わる。
昨まで責めていたを。
し理解するもある。
昨まで守っていたへ。
違うと言うもある。
それでいい。
真由美は。
マンションの鍵をけた。
の部。
気をつける。
バッグを置き。
蔵庫をけた。
昨作った煮物が残っている。
分。
ちょうどいい量だった。
スマートフォンが鳴る。
綾から。
《今はありがとうございました》
続いて。
《今度、母の昔の写真を見てもらってもいいですか》
真由美は。
し考えた。
自分は。
恵美をらない。
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それでも。
隆司の若い頃なら。
しっている。
返事を打った。
《私でよければ》
しして。
《真由美さんだから聞きたいです》
と返ってきた。
真由美は画面を見て。
静かに笑った。
族。
元族。
親子。
姉妹。
名をつけるのが難しい関係が。
増えていく。
昔なら。
面倒だとったかもしれない。
今は。
それでいいとう。
の半は。
理して減らしていくものだとっていた。
でも。
終わった関係の隣に。
しい関係がまれることもある。
真由美は。
窓をしけた。
夜のが入ってくる。
34の結婚は。
終わった。
でも。
34そのものが消えたわけではない。
そのでまれた。
そのからいた。
そのにりった。
皆。
それぞれの所に残っている。
そして今度は。
誰かが決めた「族の形」に。
無理に座る必はない。
座りたい所を。
自分で選べばいい。
真由美は。
灯りのついたの部で。
ゆっくり夕を温め始めた。
それから3ヶほど経った頃、綾から通の封筒が届いた。に入っていたのは、母・恵美が若い頃に撮った写真が5枚と、いだった。
《真由美さんへ。今度会ったに見てもらおうとっていたのですが、先に送ります。父が母のどんなところを好きだったのか、もし覚えていることがあれば教えてください》
真由美は写真を枚ずつテーブルへ並べた。
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20代半の恵美はい髪をろで結び、辺や公園、古い喫茶らしい所で笑っていた。
隆司と緒に写っている写真も2枚あった。
今よりずっと痩せた隆司が、照れたような顔で恵美の隣にっている。真由美が結婚した頃の隆司よりさらに若く、自分が度もらなかった夫の表だった。
以の真由美なら、胸がざわついたかもしれない。
夫が自分とは違う女性をしていた。自分のらない青。そのからまれた娘。
けれど今は、議と嫉妬しなかった。
「こんな顔して笑ってたんだ」
むしろし面かった。
34緒に暮らしても、ののすべてをることなどできない。自分にも隆司がらないがあり、隆司にも自分がらなかったがあった。
真由美は綾へ話した。
「写真届いたよ」
『どうでした?』
「お母さん、綺麗なね」
話の向こうで綾がし笑った。
『父もそう言ってました』
「隆司が?」
『この初めて、母の話をちゃんと聞きました』
隆司と綾は、最になってようやく恵美のことを話すようになったらしい。以の隆司は謝ることばかり考え、綾も父に何を聞けばいいのか分からなかった。
ところがある、綾が何気なく、
《母のどこが好きだったの?》
と聞いた。
隆司は答えられなかった。
36、失った娘のことばかり考え、恵美自のことをほとんどいそうとしていなかったのだという。
「それで何て答えたの?」
真由美が聞くと、綾は笑った。
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