"夫の娘は、私にだけ謝った" 第5話
何も言わなくなった。
静岡へ移る話も。
綾のくにむ話も。
にしなくなった。
それでも。
夫婦が元に戻ったわけではなかった。
で事をする。
買い物をする。
同じ寝で寝る。
34の習慣は続く。
でも。
きな穴がいていた。
ある夜。
真由美は聞いた。
「婚の話、どうするの?」
隆司は。
聞から顔をげた。
「おはしたいのか?」
「最初に言ったの、あなたでしょう」
「状況が変わった」
「何が?」
「綾が、別に俺にくへ来てほしくないなら」
真由美は。
その言葉に。
く黙った。
「じゃあ」
「何?」
「綾さんが『来て』って言ってたら、婚するの?」
隆司は答えない。
「結局、私との夫婦は綾さん次第なの?」
「そういうことじゃない」
「じゃあどういうこと?」
隆司は。
聞を畳んだ。
しばらくして。
ようやく言った。
「俺、定になって怖くなったんだ」
真由美は。
黙って聞いた。
へ入って。
38。
課。
支代理。
法部。
肩がある活だった。
毎朝。
決まったに起き。
スーツを着る。
会社へけば。
誰かが自分を必とする。
それが。
終わった。
「にいたら」
隆司は言った。
「俺、何すればいいか分からなかった」
真由美はだった。
「旅こうって話してたじゃない」
「旅なんて1週だろ」
「趣も探せばいい」
「そういうことじゃない」
夫は。
自分でも理できていないようだった。
「真由美には図館がある。友達もいる。
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と里奈も、何かあればおに話する」
「あなたにもするでしょう」
「仕事なくなったら、俺に何が残るんだってった」
その。
綾が現れた。
36。
父親がいなかった娘。
自分にしか埋められない穴がある。
隆司は。
そうった。
「父親になれば、まだ誰かに必とされるとったの?」
真由美が聞く。
隆司は否定しなかった。
「最だな」
自分で言った。
真由美は。
しだけ夫が分かった。
でも。
同に。
しかった。
「私じゃ駄目だったんだね」
隆司が顔をげる。
「何が?」
「私の夫でいることは、必とされてることに入らなかったんだ」
「違う」
「違わないよ」
夫にとって。
妻は。
もういるものだった。
34。
当たりにいる。
だから。
必とされている実にはならない。
「真由美」
隆司が言った。
「綾だけが理由じゃない」
真由美は黙る。
「正直、夫婦も終わってるとってた」
胸が痛んだ。
でも。
なぜか。
驚かなかった。
「いつから?」
「分からない」
「私には度も言わなかったね」
「言ってどうするんだよ」
その言で。
真由美は。
し笑った。
「それなのよ」
「何が」
「あなた、いつもそこ」
夫が眉を寄せる。
「言ってどうする」
「聞いてどうする」
「話して何が変わる」
そうやって。
何も話さず。
自分ので結論をす。
真由美は。
隆司の性格を。
34経って。
初めて言葉にできた気がした。
「婚したいなら」
真由美は言った。
「綾さんを理由にしないで」
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隆司が顔をげる。
「あなたが私と婚したいなら、自分の言葉で言って」
部が静かになった。
いのあと。
隆司は。
初めて言った。
「真由美と、このまま老を過ごす自信がない」
真由美の胸が。
痛んだ。
でも。
議なくらい。
すっきりした。
やっと。
綾ではない。
父親でもない。
罪悪でもない。
夫自の言葉だった。
「分かった」
真由美は答えた。
「じゃあ、私も考える」
その夜から。
婚は。
夫に言い渡されたものではなく。
で決める問題になった。
綾から。
再び連絡が来た。
母・恵美の遺品を理していたら。
真由美宛ての封筒が見つかったという。
「私に?」
「はい」
「会ったことないのに?」
「だからさなかったんだといます」
は。
今度は里奈も交えて会った。
封筒には。
《隆司さんの奥様へ》
といてあった。
には。
いが入っていた。
《突然こんなを受け取ったら、にわれるといます》
《私は隆司さんの昔の交際相です》
恵美は。
12。
娘が隆司へ会いにったことを。
からっていた。
綾は。
母には秘密にしていたつもりだった。
でも。
恵美は。
娘の様子から気づいていた。
《隆司さんには今のご族があります》
《私が何かを取り戻したいわけではありません》
《ただ、娘がもし隆司さんをりたいとった、そのことであなたやご族を傷つけることが怖いです》
真由美は。
読みめた。
《私は若い頃、隆司さんのお父様をみました》
《隆司さん自もみました》
《でもが経って、自分も娘に本当のことを全部話さなかったと気づきました》
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