みかん小説
本棚

"「介護が悪い」と責めた家族の3日後" 第7話

夕方になり、科から戻った私は、妹と緒にスーパーで買い物をしていた。

の献を考えながら、とりどりの野菜をカゴに入れる。

そんな当たり常が、私にはとても眩しくおしくじられた。

スマートフォンは相変わらずマナーモードのまま、バッグので静かに眠っている。

買い物を終え、マンションの部に戻っただった。

スマートフォンがり、1件のメッセージが届いた。

着信を繰り返し続けている夫からではない。

義妹の弓からだった。

私はゆっくりと画面をき、そのい文章を読んだ。

さん、介護ノート読みました。私、本当に何もらなかった。お兄ちゃんの嘘も、さんの苦労も。本当にごめんなさい。』

私はそのメッセージを見つめたまま、静かに画面を閉じた。

弓が、自分が無であったことに気づき始めた。

それは私にとってさな満であり、だった。

しかしこれだけで簡単にに戻るつもりはない。

俊夫の根い自己な嘘を終わらせるためには、まだりないからだ。

バッグのから、先ほどもらった診断を取りした。

この1枚のが、私に確かな力を与えてくれる。

そして私は、もう1つの切な具を自分のバッグの奥に隠し持っていた。

る直、実の仏壇の引きしの奥から抜き取ってきたある通帳。

広告

それが、俊夫の最の嘘を暴き、彼を完全に追い詰めることになるとは、このの彼はまだる由もなかった。

11の介護活ので、私のを最もくえぐってきたもの。

それはらかな悪や罵倒ではなかった。

を何もらない親族たちからの、無責任な善の言葉だ。

お盆やお正に数だけ実を訪れる親戚たち。

彼らは綺麗にえられた義母のベッドを見て、満そうに頷く。

そして、台所で休むもなくち働く私に向かって、笑顔でこう言うのだ。

さん、いつもお疲れ様。」

親戚のおばさんは私の肩を軽く叩いた。

さん、たまにはゆっくり休んでね。お母さんのこと、これからもよろしく頼むわね。」

その言葉には片の悪もない。

純粋な労いと善からた言葉なのだろう。

けれど、その言葉を発した5分には、彼らは自分たちの常へ帰っていく。

誰も「の朝のおむつ交換を代わるよ」とは言ってくれない。

誰も「来週の通院は私が連れてくよ」とは言ってくれない。

全な野から放たれる先だけの優しい言葉。

それはとして鋭い刃となって、私のを切り裂いた。

「あなたに任せておけばだ」という善の言葉は、私をこのに縛り付ける見えない鎖だったのだ。

2目の夜。

私がてから、約30が経過していた。

広告

のリビングでは、義妹の弓がソファーにく沈み込んでいた。

彼女の髪はボサボサで、目のには濃いクマができている。

たった1半。

たったそれだけので、弓の体力と気力は限界に達していた。

義母は今も昼は目を覚まさず、夕方になってから激しくむせ込んだ。

おむつの交換は、弓が1で3回った。

腰が割れるように痛み、の指先は消毒液でカサカサに荒れている。

兄の俊夫は、「今はどうしてもせない残業がある」と言ってまだ帰ってこない。

その、静まり返ったリビングに固定話のけたたましい呼びし音が響いた。

弓はビクッと肩を揺らし、体を引きずって受話器を取った。

「もしもし、佐藤です。」

話の向こうから、るい声が聞こえた。

「あ、弓ちゃん、私よ。加代おばさん。」

話の主は俊夫と弓のおばだった。

で1ほどの隣町にんでおり、半に1度だけ顔をす親戚だ。

おばの声はいつもるく、そして慮なだった。

「お兄ちゃんから話があってね、さんがったんだって?」

弓は受話器を握りしめた。

「あ、うん。しだけお休みをもらってるの。」

弓が曖昧に答えると、話の向こうでおばがきなため息をついた。

「全く、今の男の嫁はりないわね。」

おばは呆れたように言葉を続けた。

「11から専業主婦で養ってもらってるのに、し疲れたからってを空けるなんて。

おばの言葉はどこまでも軽く、悪びれる様子がない。

広告

おすすめ作品

リンクを共有

以下のリンクをコピーして友達と共有してください: