"ブラックカードを止めた10分後" 第5話
必なのは説だけ。
誰のカードなのか。
誰が払っていたのか。
今から誰が払うのか。
それだけを伝えればよかった。
百は静かに続けた。
「5で、あなたたち3が使った族カードの請求額」
しを置いた。
「計、約2870万円よ」
――ここからVIP――
玲子が最初にをいた。
「2870万円……?」
百は頷いた。
「旅、ホテル、レストラン、ブランド品、ゴルフ、百貨。全部わせて」
典子の顔が引きつる。
「そんなに使ってないわよ」
「細、必ならせます」
「でも、族なんだから」
典子が言いかける。
百は最まで聞いた。
「族だったから、私も止めなかったの」
「だったら今さら」
「今、婚したでしょう?」
典子は黙った。
「もう族じゃないから止めた。それだけです」
拓也が声を荒げる。
「待てよ。じゃあお、あるの?」
百はその質問にしだけ笑った。
5、緒に暮らした夫が最初にりたがったのはそこだった。
「ある程度は」
「ある程度っていくら?」
「今それ必?」
「必だろ!」
「どうして?」
「夫婦だったんだから!」
「元夫婦ね」
拓也は言葉を失った。
茂が伝票を見た。
「とにかく、今の会計はどうする」
百はスタッフへ向いた。
「私が払う理由はないので、皆さんでお願いします」
玲子が苛った。
「わざわざここまで来て、それだけですか?」
「ええ」
「最ですね」
百は玲子を見る。
「さっき話で言ったでしょう。
広告
自分で1円も稼げない女は惨めだって」
玲子の表が変わる。
「なら、自分で払えばいいんじゃない?」
玲子は黙った。
医師として収入はある。
だが45万8000円を、婚祝いの事に突然全額払うつもりはなかった。
結局、玲子が自分のカードで20万円。
拓也が持ちの般カードで10万円。
茂が座から即送。
典子が現をし、4で会計を終えた。
百はそので1円も払わなかった。
をてから帰宅した百は、5の計を初めて「夫婦の支」ではなく、「誰が何を負担していたか」で理した。
拓也は毎25万円を活費として計座へ入れていた。
300万円。
5で1500万円。
分な額に見える。
だが実際には。
マンションの本来賃料相当だけで42万円。
管理費や修繕積、固定資産税相当を含めると、居関連だけで600万円い価値があった。
さらに族カード。
拓也のの。
夫婦旅。
具。
保険の部。
百が自分側で負担してきた額は、拓也が像していたよりはるかにきかった。
それでも結婚は、どちらがく払ったかを数える気はなかった。
夫婦だからだ。
問題は額ではない。
拓也が『自分が妻を養っている』という提で百を見し、その提を度も確かめなかったことだった。
百は覧表を保し、閉じた。
婚に請求するためではない。
広告
自分自が、5何をしてきたのかを確認するためだった。
をた。
拓也が追いかけてきた。
「百!」
百はち止まる。
「何?」
「話終わってない」
「何が?」
「のこと」
また、。
「お、今まで何隠してたんだよ」
「隠したというより、話してなかっただけ」
「同じだろ!」
「私の資産を、あなたに全部説する義務あった?」
拓也は苛つ。
「夫婦なら普通話すだろ」
「私、結婚したに言ったよ」
「何を」
「自分の貯と投資は自分で管理するって」
拓也は覚えていない顔をした。
「あなた、その何て言ったとう?」
「らない」
「『好きにすれば』って」
百は5をいしていた。
学卒業。
百は父が経営する資産管理会社で働いていた。
父は産と株式をに、資産を運用していた。
百自も学代から融を学び、卒業7は会社で実務を経験した。
拓也と会った。
百はそのことを細かく話さなかった。
父の仕事についても、「産関係」としか言っていない。
若い頃、父の資産をった途端に態度を変えるを何も見てきたからだ。
拓也は最初、普通だった。
級より居酒。
も国産。
結婚にはこう言った。
「持ちじゃなくても、2で普通に暮らせればいい」
百はその言葉を信じた。
父は結婚、1度だけ聞いた。
「本当にこの族でいいのか」
拓也の両親は、初対面から百の父を「さな産」
程度に見ていた。
父の装がだったからだ。
それでも百は答えた。
「私は拓也さんを信じたい」
広告
おすすめ作品
-
完結第13話
離婚後に生まれた息子
10年間の不妊治療の末、「子供もできなかった」と姑に責められ、夫・健一から離婚を告げられた38歳の由美。ところが離婚から2週間後、最後に受けた治療が実っていたことが判明する。由美は悩んだ末、元夫には知らせず、実家で1人の男の子を出産した。それから1か月。離婚から10か月後のある日、玄関に現れたのは健一と、彼が再婚する28歳の美香だった。「来月、結婚式をするんだ」と招待状を差し出そうとした健一。しかし、由美の腕に抱かれた赤ん坊を見た瞬間、その笑顔が消える。「その子……まさか俺の?」。10年間「子供を産めない妻」と責められ続けた由美の人生が、そこから大きく動き始める。夫婦|真相|修羅場2.0萬字5 7 -
完結第12話
娘の結婚式で夫は愛人を新しい妻と紹介した
52歳の由美は、27年間連れ添った夫・剣一との夫婦関係がすでに壊れていることを知りながら、一人娘・美穂の結婚式までは何も起こさないと決めていた。ところが披露宴の最中、剣一は180人の招待客を前に、34歳の愛人・理香を「これからの妻になる人です」と紹介する。会場が凍りつき、娘が青ざめる中、由美は怒鳴りも泣きもせず、静かに立ち上がって拍手した。「あなたの本性を、私が説明する手間が省けました」。すると突然、新郎の父・誠が由美の前まで歩み寄り、深く頭を下げる。「これまで、本当によく耐えてこられました」。そして彼が口にした「準備はできています」という一言に、夫の表情が変わった――。人生逆転|不倫|熟年離婚1.8萬字5 18 -
完結第10話
清掃員が書いた設計図
倒産寸前の小さな町工場に、1人の若い清掃員がいた。 佐藤ゆい、21歳。学歴は中卒。従業員たちからは名前で呼ばれることもなく、ただ雑用係として扱われていた。 そんなある日、大企業から依頼された精密部品がすべて不良品となり、工場は2000万円の違約金を突きつけられる。誰もが技術不足だと責められ、工場長の竹夫も廃業を覚悟しかけていた。 その時、ずっと黙っていたゆいが静かに口を開く。 「設計が間違っています」 中卒の清掃員が、大企業の研究所の図面に誤りがあると言い出した――。 誰も信じなかったその言葉が、やがて町工場の運命を大きく変えていく。履歴書には書けなかった彼女の本当の力とは。人生逆転|真相1.4萬字5 92 -
完結第13話
不在着信93件の朝
息子夫婦の豪邸ローンを、5年間毎月24万円も肩代わりしてきたみつ子と正人。だが返ってきたのは感謝ではなく、「黙って金だけ払え」という侮辱だった。 ついに二人は支援を完全停止。翌朝、スマホには93件もの着信が――。親をATM扱いした息子夫婦に、想像もしなかった代償が襲いかかる。夫婦|親子関係2.0萬字5 34 -
完結第12話
団地に残された17通
毎朝5時、誰よりも早く団地へ来て、廊下も階段もごみ集積所も黙って掃除してきた61歳の藤本志津江。 13年間続けてきた仕事は、ある日突然、31世帯の署名によって終わりを告げられる。理由は「住民の生活をのぞいている」「勤務時間外に声をかけすぎる」というものだった。 志津江は反論しながらも、自分の善意が誰かにとっては重荷になっていたことを知る。 そして契約終了が決まった直後、清掃用具庫から見つかったのは、長年誰にも届かなかった17通の手紙だった。 その中には、15年前に団地で起きた火災と、当時責任を負わされた元管理人、そして亡くなった女性が残したはずの言葉が含まれていた。 志津江は本当に住民を見張っていたのか。 17通の手紙は、なぜ用具庫に残されていたのか。 そして、団地が長年隠してきた火災の真相とは――。因果応報|人生逆転|真実1.8萬字5 132 -
完結第18話
四十九日の注文票
夫の四十九日を終えた夜、59歳の円香は、息子夫婦から突然「明日の朝までに店の鍵を渡してほしい」と告げられる。 夫と32年間守ってきた惣菜店《おかず処まどか》。しかし土地と建物は、知らないうちに息子の名義へ移され、すでに再開発のため売却されようとしていた。 悲しみも癒えないまま、住む場所も店も奪われかける円香。さらに夫が管理していた店の預金も、借金返済に使われたと聞かされる。 そんな夜、夫の机の奥から見つかったのは、古い注文票だった。 《弁当120食。毎月第2土曜日。代金は受け取らないこと》 そこに書かれていたのは、円香の知らない女性の名前。 夫はなぜ、妻に黙って無料の弁当を届けていたのか。 なぜ、その女性を「店を失った時に訪ねろ」と書き残したのか。 追い出されたはずの店の裏で、夫が最後まで隠していた過去と、息子夫婦の本当の目的が少しずつ明らかになっていく――。人生逆転|親子関係2.8萬字5 118 -
完結第17話
「その子はゴミだ」と捨てた夫の本当の末路
妊娠8ヶ月のかおりは、夫・健太と愛人レナに「金づる」「腹の子はゴミ」と罵られ、階段から突き落とされる。 二人は彼女が死んだと思い、事故を装って財産まで奪うつもりだった。 しかし、健太は知らなかった。 自分が「油臭い町工場」と見下していた五条精密が、世界的特許を握る超優良企業であり、専門卒と嘲笑っていた妻こそ、その技術を生み出した天才技師だったことを。 さらに健太の会社は、その技術なしでは巨大プロジェクトを完成できない。 病室で目を覚ましたかおりの前に、銀行頭取と夫の会社の会長が現れる。 「準備は整いました」 妻と我が子を捨てた男の“エリート人生”が、そこから音を立てて崩れ始める――。夫婦2.5萬字5 116 -
完結第19話
赤ん坊を背負った応募者
東京・丸の内、大和建設の公開採用面接。 30歳の優人は、1歳の息子を背負い、破れた靴と古い鞄で会場に現れた。 「妻が救急搬送され、子供を預ける場所がありませんでした」 人事部長は彼を追い出そうとする。 その瞬間、鞄から徹夜で描いた設計図が床へ散らばった。 そして偶然通りかかった“鉄の女”と呼ばれる会長・北川文子が、優人の顔を見て凍りつく。 25年前に亡くした夫と、あまりにも似ていたのだ。 さらに翌日の特別面接。 文子は優人の指にある古びた銀の指輪を見て、震える声で尋ねた。 「その指輪……どこで手に入れたの?」 それは25年前、事故現場から消えた“世界に2つしかない指輪”だった――。因果応報|人生逆転2.8萬字5 123 -
完結第10話
父の葬儀の日_夫は愛人を車に乗せて去った
48歳の由美は、3年間ほぼ1人で父を介護し、78歳の父を見送った。ところが葬儀の帰り、20年連れ添った夫・浩司は、愛人と思われる女性を助手席に乗せたまま、喪服姿の由美を雨の駅前で車から降ろす。「俺だって1日付き合って疲れてるんだ」。由美は泣かず、父が亡くなる2日前に渡してくれた古い革鞄を開いた。中にあったのは、1通の手紙、弁護士の名刺、そして夫の会社に関する資料。手紙の最初には、「浩司君に、私の通帳も印鑑も渡してはいけない」と書かれていた。なぜ父は、娘の夫をそこまで警戒していたのか。由美は父が最後に残した手がかりを追い始める。夫婦|親不孝|金銭問題|修羅場|不倫1.5萬字5 520