"面接官の誤算" 第12話
それだけが理由ではない。
仕事しか見えなくなっていた父。
の子どもを。
ほとんどで。
育てていた母。
何度も。
話しった。
それでも。
緒にいれば。
互いに。
壊れる。
そう判断した。
「嫌いになったから別れたんじゃない」
父はし恥ずかしそうに言った。
「れている方が、ちゃんと話せるようになったんだ」
「じゃあ今も連絡取ってるの?」
「たまにな」
「俺に言えよ」
「言えるか。自分の甲斐性のなさで婚したんだぞ」
父は苦笑した。
その話を母にも聞いた。
母は驚くほどあっさり認めた。
「お父さんとは、夫婦でいるより別々にいた方がうまくいったのよ」
「今でも嫌いじゃない?」
「嫌いだったら、次郎を通してあなたを会わせたりしないでしょう」
考えてみれば。
その通りだった。
婚。
片親。
名字。
族構成。
佐野は。
そういう表面なものだけで。
俺たち族を。
完全だと。
決めつけた。
でも。
俺にとって。
族は。
ずっと。
ここにあった。
緒に。
んでいなくても。
父は父だった。
兄は兄だった。
母は。
母だった。
し変則で。
説しづらい。
だけ。
それを。
欠陥だと。
ったことはない。
そのの母の誕、俺と兄は久しぶりに4で事をする計画をてた。母には兄と俺だけで祝うと伝え、の個へ入ったところで父が待っているという、子どもっぽいサプライズだった。
扉をけた母は父を見てを止めた。
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「何してるの?」
「誕だから」
父が気まずそうに答えた。
母はしばらく父を見たあと、吹きした。
「あなた、昔からそういうところ変わらないわね」
「何がだよ」
「説がりないところ」
兄と俺は顔を見わせて笑った。
事が始まり、酒が入ると、父と母は昔の話を次々と始めた。会社がさかった頃、父が取引先へくために古を乗り回していたこと。母が計簿を見ながら「今も赤字」と毎晩ため息をついていたこと。兄が幼い俺を呂へ入れようとして、とも転びそうになったことまで覚えていた。
「達郎はさい頃、兄ちゃんのろばっかりついて歩いてたのよ」
母が言った。
「今も変わらないよ」
俺が答えると、兄が呆れたように笑った。
「いい加減、自分のを歩け」
「歩いてるよ。その先に兄貴がいるだけだ」
父が酒をみながら俺たちを見ていた。
「兄弟仲がいいのだけは、俺たちが婚しても変わらなかったな」
母が頷いた。
俺はその会話を聞きながら、最終面接のをいした。
「学歴の貧乏は面接する必なし」
あの言葉を聞いた。
俺は。
自分が。
否定されたと。
った。
母まで。
否定された。
気がした。
けれど。
今なら。
し違う。
あの男は。
俺たちを。
らなかった。
母が。
どうやって。
俺を育てたのか。
兄が。
何。
両親のを。
き来したのか。
父が。
なぜ。
族と。
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距を置いたのか。
何つ。
らず。
履歴の。
数だけで。
全部を。
分かったつもりに。
なった。
だから。
あの発言は。
俺の価値を。
表していたのではない。
佐野自の。
を見る狭さを。
表していただけだった。
――そう考えられるようになった。
今、事部で働いていると、応募類を見る会がある。
名学。
方学。
転職回数。
空期。
齢。
所。
類には。
たくさんの報が。
並んでいる。
けれど。
その枚の向こうには。
俺がらない。
何分もの。
がある。
だから俺は、類だけで分かった気にならないようにしている。評価する必はあるし、誰もが採用されるわけでもないが、採用にすることとを見すことはまったく違う。兄が昔言った「を見る目があるとい込むな」という言葉を、以よりくじるようになった。
母の誕会が終わり、をると父と兄がしを歩いていた。母はその背を見ながら、「とも歩き方が似てきたわね」と笑った。
「俺は?」
「あなたもよ」
母はし考えてから続けた。
「でも、無理に誰かと同じにならなくていいんじゃない?」
その言葉に、俺はわず笑った。
ずっと兄に追いつきたいとっていた。
父のような派な仕事もしたいとっていた。
けれど。
同じに。
なる必は。
ない。
俺は。
俺なりの。
の見方を。
覚えればいい。
1かの俺なら、佐野を黙らせたことを「勝った」とじたかもしれない。今はそうではなく、あの面接を経験したことで、自分がどんなになりたくないのかをることができたとっている。
派な会社へ入ること。
肩をに入れること。
い料をもらうこと。
それだけが。
俺のではなくなった。
誰かの履歴を見た。
そこにかれていない。
まで。
像できるになる。
それが。
今の俺が。
兄の背を。
追いながら。
見つけた。
しい目標だった。
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