みかん小説
本棚

"「母に腎臓をくれ」と泣いた夫――手術直前、私は提供を取り消した" 第22話

内である親族にまで見放され、夫と義母は完全に孤した。

医師や倫理委員会のスタッフも、もはや彼らにかける言葉を持っていない。

ただ自らの欲によって破滅していく族の姿を静かに見つめているだけだった。

「由美、頼む!俺を見捨てないでくれ!」

夫はついに子から滑り落ち、私の目のに両膝をついた。

「俺にはおしかいないんだ!もおもいらない!美穂とも別れる!だからもう度だけやり直させてくれ!」

25、私が度も見たことのない夫の惨めな姿だった。

プライドがく、常に私を見し、都よく使っていた夫がいつくばって命乞いをしているのだ。

子の義母も涙とで顔をぐしゃぐしゃにしながら、私に向かって震えるを伸ばした。

「由美さん、私が悪かったわ!座でも何でもするから、お願いだから術をして!このままじゃ私んでしまう!」

彼らのれな姿を見ても、私のしも揺らがなかった。

しみも湧いてこない。

たい卓の端で私がみ込んできたしみに比べれば。

自分の体を削り、のない事に耐え、めまいと戦ってきた々の痛みに比べれば。

彼らの流す涙などただの保のための具でしかなかった。

「やり直すことは絶対にありません」

私は静かに、はっきりと告げた。

広告

「私が提した撤回はすでに受理されました。そしてには、私の代理である弁護士からあなたに正式な通が届きます。連絡は全て弁護士を通していってください」

私はがり、黒いバッグをしっかりと抱えた。

もうこの部に用はない。

私が伝えるべき真実は、全て彼らのく突き刺さった。

彼らはこの先互いを憎みい、罪をなすり付けいながらきていくのだろう。

「さようなら。あなたたちの残りのが、しでも誠実なものになることを祈っています」

私はくお辞儀をし、きびすを返した。

夫が「由美!」と泣き叫ぶ声が背から聞こえたが、私は振り返らなかった。

ドアノブにをかけ、たい属の触を確かめる。

しかし私が会議ようとしたその瞬にへたり込んでいた美穂が狂ったように叫び声をげた。

そして彼女のからした最言が、この族に決定な終止符を打つことになったのだ。

私が会議のドアをけようとした瞬だった。

にへたり込んでいた美穂が、狂ったように叫び声をげた。

「ふざけないでよ!全部浩司君が言いしたことじゃない!」

その切り声に、私はドアノブから静かにし、振り返った。

美穂は涙と汗でメイクをドロドロに崩しながら、夫の浩司を鋭く睨みつけていた。

広告

彼女の目は、自分のを守るためなら誰でも裏切る、むきしの自己保に満ちていた。

「私だって、こんなおじさん本当は好きじゃなかったわよ!」

その言に、夫の顔がピクリと引きつった。

の彼氏が作った借を返すために、仕方なく付きってあげてただけ!お持ちで、すぐに実に入るって言うからしてたのに!」

美穂は自暴自棄になり、隠していた本音を次々と吐きし始めた。

「奥さんに全部バレてて文無しって最悪!私のを返してよ!」

「やめろ美穂!黙れ!」

夫は慌てて美穂に駆け寄り、その引に塞ごうとした。

しかし美穂は夫の腕を力く振り払い、さらに残酷な言葉を放った。

その矛先は、子で震えている義母へと向けられたのだ。

体私が、お義母さんと同居するなんて本気で信じてたの?」

美穂は酷な笑みを浮かべ、義母に向かって言葉の刃を突きてた。

術が終わってを売ったら、すぐにい介護施設に放り込むって約束だったじゃない」

その言葉が病に響いた瞬子の義母がビクンときく体をねさせた。

「ええっ……」

義母のから、空気の漏れるような抜けな声がた。

美穂は止まらない。

「浩司君、いつもベッドので私に愚痴ってたわよ。『くあのばあさんを施設に入れて2きりになりたい。

面倒な介護なんて真っ平だ』ってね」

「違う母さん!それはこの女の嘘だ!」

広告

おすすめ作品

リンクを共有

以下のリンクをコピーして友達と共有してください: