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"赤ん坊を背負った応募者" 第19話

その、優は昼夜を問わぬ努力とな建築の才能で、会社の型プロジェクトを次々と成功させた。

コネではなく実力だけで結果をす優の姿。

最初は疑いの目を向けていた役職員たちも、1また1と頷き、尊敬のを示すようになった。

いスピードで昇ねた。

そしてある週末の夜であった。

港区にある文子の広くて温かい邸宅に、久しぶりに族全員が集まった。

25空っぽだったこの卓に、ついにの温もりが満ち溢れていた。

キッチンでは、嫁の美咲が義母のためにを込めて作ったばしい噌汁がグツグツと音をてていた。

鍋からい湯気が、リビングまで広がっていった。

1には集治療でかろうじて息をしていた美咲。

今では健康な両でキッチンにち、族全員の事を用していた。

その姿だけでも奇跡であった。

「お母様」

美咲のるい声がリビングまで響いた。

事の準備ができました。お母様のお好きな噌汁、たくさん作りましたよ」

1の青く痩せた顔はどこにもなかった。

頬に血が戻り、目に気が宿る健康で華やかな29歳の女性の姿であった。

「まあ、いいりね」

文子が卓にづきながら、にこやかに笑った。

「美咲さんの腕はがるわね」

本の建築業界を牛っていた鉄の女の顔はどこにもない。

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嫁の噌汁にずさむ、ごく普通の義母の顔であった。

その瞬、廊の方からよちよちとさな音が聞こえた。

2歳になったが、祖母に向かって両腕を広げながら歩いてきていた。

「バーバだ」

発音がたどたどしいの呼び声に、文子の顔がパッとるくなった。

文子はをかがめ、孫をひょいと抱きげた。

が祖母の首に両腕でしっかりと抱きつき、キャッキャと笑い声をあげた。

文子の目尻にいシワが刻まれた。

涯を厳しくきてきたで、1度も浮かべたことのない最も幸せな祖母の笑顔が杯に広がった。

卓の向こう側から、その景を眺めていた。

息子を抱いて笑う母の姿を見る。

それだけで、25空っぽだった胸の隙がゆっくりと埋まっていくようであった。

は隣に座る妻のをそっと握った。

美咲も夫のを固く握り返した。

が終わり、4は庭にた。

の空が赤く染まり、邸宅の庭に黄の夕が柔らかくり注いでいた。

文子はを片腕に抱いた。

そして、もう片方ので息子の優を握った。

は母のを固く握り、反対のでは妻の美咲のを握った。

4が並んでち、夕を眺めた。

文子のの薬指と、優の薬指。

2つのギザギザ模様のの指輪が並んで、夕を浴びてキラキラと輝いていた。

25に父が命をかけて息子の指にはめてくれた指輪。

そして25、母が薬指から1度もさなかった指輪。

その2つの指輪がついに並んで輝いていた。

父が命をかけて守った息子が、実力で堂々とがった。

その息子が、父のであった設計を世に送りした。

そしてギザギザ模様の指輪がついに族全員を再び結びつける奇跡の証となった。

の夕が、この美しく堂々とした族のに温かくり注いでいた。

4は互いのゴツゴツとして温かいを固くにぎりしめ、夕をいつまでも眺めていた。

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