みかん小説
本棚

"父子関係否定の白い封筒" 第2話

義母は私を見ずに言葉を続けた。

「嘘をつけないというか、ごまかせないものだから」

私はく同も否定もせず、を見たまま相槌を打った。

「そうですね」

義母は私をちらりと見て、言葉を続けた。

「美咲さんの職には男性もいの?」

私の臓がドクンと嫌な音をてた。

私は静を装って答えた。

「普通の会社ですから、男女どちらもいますよ」

義母は元を歪めた。

「ふうん」

義母の返事には、ねっとりと探るような響きがあった。

私を責める理由を探しているのが痛いほど伝わってくる。

病院での治療が終わり、保育園へ唯を迎えにった帰りのことだった。

部座席のチャイルドシートで、唯が義母に向かって無邪気に話しかけた。

「バーバ、今ね、男のお友達と遊んだの」

義母は優しそうな声をした。

「そう、唯ちゃんはどんな男のが好き?」

唯は元気よく答えた。

「パパ!」

唯の返事を聞いて、義母は瞬黙り込んだ。

そして、まるで世話の続きのように恐ろしい質問を投げかけたのだ。

「唯ちゃんは、ママのお友達の男のとは遊ばないの?」

私はわずブレーキペダルをく踏みそうになり、慌てての力を抜いた。

唯は議そうに首をかしげた。

「お友達?」

私はルームミラー越しに義母を睨みつけ、い声をしてしまった。

「お義母さん、やめてください」

広告

義母は悪びれる様子もなく肩をすくめた。

「ごめんなさいね。子供のおしゃべりじゃない」

私は奥歯を噛みしめ、黙ってらせた。

そのの夕、義母がお呂に入っているに、私はリビングの掃除をかけていた。

ソファのに、義母がいつも使っているタブレット端末が置きっぱなしになっていた。

画面がるくなり、着の通が表示されたのが見えた。

私は普段ならの画面を見ることはないが、胸騒ぎがして目を向けた。

ブラウザの画面がいたままで、そこにはきな文字で記事のタイトルがあった。

『父親の特徴は遺伝しやすい?顔ちで分かる親子関係』

その文字を見た瞬、私の元がたくなるのをじた。

単なる偶然かもしれないが、義母の執のようなものが画面から伝わってくる。

のドアがく音がして、私は慌てて線をし、掃除かした。

義母は戻ってくると真っ先にタブレット端末をに取り、画面を消して部へ戻っていった。

何も言われなかったが、その自体が彼女の隠れた図を物語っていた。

唯がテレビを見ている、私は台所で翌朝の支度をしていた。

先ほどのでの会話とタブレットの画面がかられない。

義母は単なる愚痴や満から私を疑っているわけではなかった。

広告

3歳の唯を巻き込んで、私の浮気の証拠を探そうと具体を始めているのだ。

このまま黙って耐えているだけでは、いつか唯自が傷つけられてしまう。

私はを洗い、エプロンのポケットからスマートフォンを取りした。

メモ画面をき、今付とで義母が言った言葉を句記録する。

言い返せないなら、せめて客観な事実をき残さなければならない。

これは私と唯の活を守るための最初の準備だった。

リビングからは何もらない唯のるい笑い声が聞こえてくる。

私は画面を閉じ、もう1度く息を吸い込んでから静かに顔をあげた。

そうして週末を迎え、の午になった。

所にむ鈴が回覧板を持って訪ねてきた。

義母は玄関先で世話を始め、私は台所で3分の麦茶を用していた。

るい声で義母に話しかけた。

「唯ちゃん、きくなったわね。お母さんに似てらしいお顔ちで」

所のなら誰もが使う、当たり障りのない挨拶だ。

しかし、義母はすぐにその言葉をたい声で打ち消した。

「いいえ。誰に似たのかさっぱりわからないんですよ」

グラスを乗せたお盆を持ちげようとした私のが、空で止まった。

義母はさらに言葉を続けた。

「直さい頃とは、の形も目のきさも全然違いますから」

義母の言葉には、謙遜や冗談めかした響きは切含まれていなかった。

は気まずそうにフォローした。

広告

おすすめ作品

リンクを共有

以下のリンクをコピーして友達と共有してください: