みかん小説
本棚

"68歳の誕生日、残高は0円だった" 第13話

滝川はさやかを見た。

さやかはゆっくりと続けた。

「そので、全部かす」

さやかは決を込めて言った。

類を持って、あのたちので事実をつずつ並べる。法な処分と、社会な制裁を同に与える」

滝川はしの、さやかの顔を見ていた。

それから静かに言った。

「それは法続きのの話です」

滝川は弁護士としてリスクを説した。

「効果はあるかもしれないが、相になって証拠を隠したり、弁護士をてて対抗してきたのリスクもある」

「分かっています」

さやかは引かなかった。

「でも、お父さんのことは私がよくっています」

さやかは酷な目で言った。

「あのは逃げません。逃げることの方が恥だとっているです」

さやかは確信を持っていた。

「追い詰めれば必ず計算して、参します。じゃない。だからじゃなくて、損得でかす」

滝川はもう度さやかを見た。

それから、千代子に線を移した。

「お母さんはどういますか?」

千代子は窓の秒見てから、滝川に向き直った。

「さやかの言う通りにします」

千代子は言った。迷いはなかった。

滝川はく頷いた。

「では、当に向けて類を理します」

滝川は帳をいた。

「公正証の準備も始めます。法な拘束力を持たせた文として、婚条件と返還額を記する」

広告

彼はペンを置いた。

「相がそのでサインするかどうかは別として、提示すること自体が圧力になる」

面談が終わり、は事務所ので別れた。

滝川は「来週、当の最終確認をしましょう」と言いながら、ビルの入りに戻っていった。

千代子とさやかは、並んで駅に向かった。

を歩きながら、さやかがさく言った。

「お父さんの体面が、お父さんの命綱でしょう」

千代子は歩きながらそれを聞いた。

「そうね」と答えた。

「だったら」

さやかは続けた。

「その命綱を、あの番見られたくないたちので、ちゃんと断ち切る」

言葉はたかったが、声は静かだった。

りの叫びではなく、をかけて絞りした決の声だった。

千代子はさやかの横顔を見た。

娘はを向いたまま歩いていた。

千代子には、さやかの横顔に見覚えがある表があった。

それは、自分の表だとった。

泣くのをこらえているのでも、がっているのでもない。

ただ、もう揺れないと決めたの顔だった。

自分がいつかどこかで、そういう顔をしていたかどうかは分からない。

しかし娘の顔にそれを見た、千代子は何か切なものが伝わっていたのだと初めてじた。

駅の改札ので、さやかが振り返った。

、また来る。緒にいる」

千代子は頷いた。

のアナウンスが流れ、さやかが改札を通っていった。

広告

千代子は改札のったまま、しばらくその背を見ていた。

帰りのバスので、千代子はの滝川法律事務所のファイルを握った。

いファイルだった。

でも、その分の嘘の記録と、来週起きることの準備が入っている。

千代子は窓のの景を見た。

夕方のが、町の輪郭をに染めていた。

バスが揺れるたびに、町の景しずついた。

づいた、千代子はいつも通り夕の買い物をするために途のスーパーでりた。

カゴに豆腐とネギと卵を入れながら、千代子はのことをった。

この同じスーパーで、朝から品しをしていた頃のこと。

蔵庫のたい段ボールをけながら、いつか自分のおで自分の老を作ろうとっていた頃のこと。

あの頃の自分は、まだ何もらなかった。

夫が何をしようとしているかも。自分がどんな類のに乗せられているかも。

レジで精算を済ませ、袋を持ってた。

たかった。

千代子はコートのわせながら、へのを歩いた。

鍵をけて玄関を入ると、斎から気がこぼれていた。

が戻っていた。

「おかえり」という声はなかった。

千代子も「ただいま」と言わなかった。

台所にって夕の準備を始めながら、千代子は来週のことを考えた。

のお茶会。元支たちが集まる午

そこへ、自分とさやかと滝川が入っていく。

広告

おすすめ作品

リンクを共有

以下のリンクをコピーして友達と共有してください: