大正14年、京都の呉服商「松木屋」で、18歳の志津は父から残酷な命を受ける。 亡くなった姉・千代の代わりに、姉の婚約者だった宗一郎と結婚しろ――。 姉の葬儀からまだ12日。悲しみも癒えないまま、志津は家の借金と跡取り問題のために、自分の人生を差し出されることになる。 望まれない祝言、姉と比べられる日々、傾きかけた店。そして、夫となった宗一郎もまた、家のために夢を諦めた人だった。 やがて志津は、亡き姉が隠していた一通の手紙を見つける。 そこに書かれていたのは、姉が最後まで抱えていた本音と、志津の人生を大きく変える言葉だった。 「姉の代わり」として嫁いだ娘が、時代と家に縛られながらも、自分の生き方を選び直していく物語。