"消えた娘、七回の間違い電話" 第10話
事件からが過ぎた。
佳代子は朝からでかけた。
修司にはらせなかった。
裕太にも言わなかった。
まず、阪駅へった。
穂がボストンバッグを預けた荷物預かり所は、以と同じ所にあった。
が並んでいた。
旅客。
学。
子どもを連れた族。
。
穂もここにった。
荷物を預けた。
あとで取りに来るつもりだった。
それから梅田へ向かった。
BIRDがあった建物は残っていた。
へりる階段には、別のの板がている。
佳代子はりなかった。
入のにしばらくった。
昼でも、階段の奥は暗かった。
次に、若葉女子寮へ向かった。
吉川には会わなかった。
建物の向かいに、さな公園がある。
佳代子はベンチに座った。
鞄から、305号の鍵をした。
事件のあと。
何ものが謝った。
保。
由紀。
修司。
森は謝罪の言葉をにしたが、佳代子には届かなかった。
誰が番悪かったのか。
何度も聞かれた。
聞記者にも。
親戚にも。
自分自にも。
答えは決まらなかった。
階段から落ちたことだけなら事故だった。
救急を呼ばなかった森の判断は、らかに違っていた。
周りにいたたちも止めなかった。
修司は、娘のき先をりながら隠した。
保は、本当の最の所を半言わなかった。
誰もで、穂を消したわけではない。
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でも。
ずつがしずつ黙った。
しずつ、自分に都のいい説を選んだ。
その結果、
穂が本当にどこで消えたのか分かるまで、半かかった。
午分。
本より話。
までには到着予定。
佳代子は、あの帳簿の文字を今でも覚えている。
穂は逃げたかったわけではない。
いや。
からは、逃げたかったのかもしれない。
そのことを佳代子は、今では否定しなかった。
娘が自分に何も言わずをようとした。
それは痛かった。
「お母さんに言ったら止められるから」
穂がそうったのなら、
自分にも理由があった。
だからといって、
穂が族を嫌っていたことにはならない。
すべてを綺麗に言い換える必もない。
娘はをたかった。
母親には黙っていた。
父親には協力を頼んだ。
友達に会った。
予定より遅れた。
ライブを見た。
笑った。
階段で転んだ。
そして帰れなくなった。
それが、穂の最のだった。
公園の向こうで、若い女性が寮からてきた。
きな鞄を持っている。
母親らしい女性がろから追いかけてきた。
「忘れ物!」
女性は振り返り、笑った。
佳代子はしばらくを見ていた。
それから鍵を掌に置いた。
305。
穂はこの鍵を度も使っていない。
だから、この鍵にはいがない。
娘がけた扉もない。
閉めた音もない。
鍵をなくして困ったもない。
誰かを部に呼んだこともない。
ただ、
これから始まるはずだった活だけが、
さな属の形になって残っている。
佳代子は鍵を封筒に戻した。
捨てるつもりはなかった。
に帰ると、穂の部へ入った。
、ほとんど何もかしていない。
机の。
本棚。
鏡。
佳代子は初めて、窓をきくけた。
のが入ってきた。
机の引きしから、穂が使っていた鍵束をした。
自宅の鍵。
自転の鍵。
さなロッカーの鍵。
その横に、
305号の鍵を置いた。
同じ鍵束には付けなかった。
しして置いた。
穂が使った鍵と、
使わなかった鍵。
つは、最まで別々のままだった。
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