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完結第20話
乳がん手術日にゴルフへ行った夫の末路
「来週の手術、付き添ってくれるよな」――当然のようにそう言う夫・啓介を見て、私の胸には、乳がん手術の日に一人で病院へ向かった記憶が蘇った。あの日、啓介は「どうしても外せない仕事がある」と私を置いていった。幼い息子の世話も退院後の家事も母に任せ、私の痛みには目も向けなかった。それでも仕事なら仕方ないと信じていた。だが後日、夫のジャケットから見つかったのは、手術当日のゴルフ場のレシート。車内には朝7時40分入庫の駐車券まで残されていた。来られなかったのではない。最初から来る気がなかったのだ。その瞬間、私の中で夫への期待は静かに死んだ。そして今、自分が手術する番になった啓介は、何事もなかったように妻の付き添いを求めてくる。私はもう待たない。積み重ねてきた証拠と決意を胸に、彼が想像もしなかった選択へ踏み出す――。夫婦3.0万字5 2859 -
完結第32話
四十七万円を母に送った夫への逆襲
生後20日余りの娘・みおが39度近い熱を出した夜、義母は「大げさに騒ぐな」と玄関を塞ぎ、夫・和樹まで「母さんの言う通りにして、明日にしろ」と私を突き放した――。思えば始まりは、月給50万円のうち47万円を母へ送ると宣言し、家の支払いをすべて私に押しつけたことだった。内部監査を仕事にする私・みさきは、怒鳴る代わりに数字を追う。すると義母への送金はすぐ別の場所へ流れ、夫が「親孝行」と呼んでいた金の裏に、家族ぐるみで隠していた事情が浮かび上がる。さらに私の口座から大金まで消えた時、もう我慢する理由はなくなった。通話記録、送金履歴、動画――私はすべての証拠を揃え、娘と自分の人生を守るため反撃を決意する。彼らが家族という言葉で隠してきたものを、今度は数字と記録が暴いていく――。夫婦4.9万字5 4523 -
完結第12話
左足だけの靴箱
隣室の吉岡さんが部屋で亡くなった。付き合いのなかった老人の遺品整理に立ち会った彩香は、業者から「故人の遺言」として段ボール箱を手渡される。中に入っていたのは、彩香が過去5年間に自宅の玄関から消えたはずの「左足の靴」12足。そして、それと対になる新品の右足の靴。靴底をめくると、そこには夫が「深夜残業」と偽っていた日付のタクシー領収書が隠されていた。妻が知ることになる、5年前の事故と夫の病的な贖罪の真相とは。ミステリー|夫婦1.8万字5 4852 -
完結第28話
没落夫と偽りのお嬢様が堕ちた地獄
「学歴詐称の女は名家に不要だ、とっとと出て行け!」夫のカズシは「華族の末裔」を自称する浮気相手のデマを鵜呑みにし、大企業を辞めたばかりの妻・リエに離婚届を突きつけた。 7歳当時の写真一枚を盾に「帰国子女は嘘」と決めつけ、二人でリエを嘲笑う。だが、彼らが愚弄した元妻は、全米の納税証明書も卒業証書も揃う本物のハイスペック女性だった。半年後、リエのスマホに狂乱の着信が入る。 元浮気相手がホスト狂いで数千万円を貢ぎ、一族の資産を騙し取って借金地獄に堕ちた夫が、泣き声で「やり直してくれ」と懇願してきた。冷たく笑うリエが言い放ったトドメの一言とは――。夫婦|不倫4.3万字5 3097 -
完結第11話
亡き義母の口座を洗う女
3年前に7年間の壮絶な介護の末に他界し、この手で骨壺に納めたはずの義母。だが解約し忘れていた古い通帳を繰り越すと、死後も毎月「生前給与」が振り込まれ、毎週水曜の深夜に即座に引き出されていた。深夜のコンビニで張り込んだ私が見たのは、義母の服を着て義母と全く同じ体の癖を持つ見知らぬ女。死者は生きているのか。真実を追う私は、隣で眠る夫が隠していた、狂気と冷酷に満ちた「生前名義ビジネス」の底なし沼へと引きずり込まれていく。ミステリー|嫁姑|夫婦1.6万字5 10583 -
完結第11話
父が守った秘密
夫を亡くして半年、48歳の美和は遺品整理の中で、夫が20年間、自分が長く距離を置いていた父へ毎月送金していた記録を見つける。なぜ夫は、私に何も言わず父と繋がっていたのか。問い詰めた父は、二人が隠していた過去を語り始める。そこには、若い日の結婚、父との確執、そして夫が最後まで抱えていた後悔があった。愛していたはずなのに、伝え方を間違えた家族。その真実を知った美和が、もう一度自分の人生を選び直す物語。夫婦1.7万字5 376 -
完結第12話
消された名前
22年間、夫を支えてきた由美は、ある日突然離婚を告げられる。夫は「これからは自分自身の人生を生きてほしい」と優しく告げた。しかし離婚直後、夫の会社から一本の電話が入る。「奥様が、この会社にいたことを社長は忘れていません」。調べ始めた由美が見つけたのは、20年前に消された自分の名前だった。会社の成功の裏側にあった妻の存在を、夫はなぜ隠し続けたのか。そして、長い結婚生活の中で失われていたものとは。人生逆転|夫婦1.8万字5 470 -
完結第13話
二十七年目の嘘
58歳で急死した夫の遺品を整理していた美智子は、引き出しの奥から27年前の「採用内定通知書」を見つける。当時不合格だと思い込んでいた東京の出版社からのものだった。封筒の裏には夫の筆跡で「辞退連絡済」。夫はなぜ私の人生を勝手に奪ったのか。さらに、夫の出世作となった伝説の住宅企画が、かつて自分が書いた企画ノートそのものだったことを知る。奪われた名前と人生を取り戻すため、妻が下した決断とは。人生逆転|夫婦|真実|第二の人生|親子関係2.0万字5 5710 -
完結第14話
身代わりの爪痕
結婚式前夜、姉の里帆が泥まみれのパンプスを残して失踪した。実家の借金のため、身代わりとして名家の御曹司・神谷拓真と結婚させられた妹の志乃。夫は完璧で優しいが、「入浴時間は30分、浴室の鍵は絶対に閉めない」という異様なルールを強要する。ある日、志乃は姉が残した古いスマホから、7年前に夫の自宅浴室で前婚約者が“溺死”していた事実を知る。姉が逃げた真の理由と、夫が毎晩差し出す温かいミルクに隠された戦慄の罠とは。兄弟姉妹|夫婦|真実|絶縁|金銭問題|修羅場2.1万字5 652