みかん小説
本棚

"消えた妻、11年後の再会" 第2話

「交友関係は?」

「昨の同窓会くらいです」

警方は参加者へ連絡を取り始めた。

そので最も協力だったのが、川だった。

参加者全員の所と話番号を理して渡した。

にも問いわせた。

同窓会で撮った写真も提した。

に尋チラシを貼る伝った。

「何か僕にできることがあったら言ってください」

何度も修平にそう言った。

は修平と緒に、由紀子が最にいたを歩いた。

「本当に、何もせないんです」

は申し訳なさそうに言った。

「俺がもうし見ていれば」

修平は首を振った。

「川さんのせいじゃないですよ」

その言葉を聞いた川は、しばらく何も言わなかった。

が過ぎた。

由紀子は見つからなかった。

目撃報はいくつか寄せられたが、すべて別だった。

警察からの連絡もなくなった。

それでも川話をかけてきた。

「何か分かりました?」

「いや」

「警察は?」

しい報はないって」

「そうですか……」

も。

も。

も。

は完全には連絡を絶たなかった。

数か度。

忘れた頃に話をかけてくる。

瀬さん、元気にしていますか」

「奥さんのことで、しい報は?」

修平は、その気遣いをありがたいとった期もあった。

妻の同級ですらしずつ事件をにしなくなる

広告

だけは覚えてくれていたからだ。

由紀子が消えてから、もうすぐになる頃。

から、また話があった。

「奥さんのことで、何かしい報ありました?」

「何もないよ」

修平は答えた。

「もうだからな」

は静かに言った。

「そうですか」

その

梨県のさな施設で、

の女性の元が問題になった。

は分からない。

戸籍もない。

入所記録には、ただ、

【ユキ】

とだけかれていた。

そしてその女性は、

を渡されるたびに、同じ名いていた。

しゅうへい。

 

梨県部にある古い階建ての施設へ、の職員がち入った。

建物の板には、

【青葉ホーム】

とだけかれていた。

齢者や活に困ったを受け入れている民施設だったが、届けの内容と実際の入居者数がっていなかった。

きっかけは消防設備の点検だった。

避難経が塞がれている。

入居者名簿に空欄がい。

誰がいつ入ったのか分からない部まである。

は福祉担当者を加え、入居者ずつの元確認を始めた。

そのに、だけ説できない女性がいた。

髪が混じったい髪。

し引きずって歩く。

簡単な会話はできるが、い質問をすると言葉が止まる。

施設内では、

「ユキさん」

と呼ばれていた。

職員が尋ねた。

広告

「ユキさん、名字は分かりますか」

女性はしばらく考えた。

「たか……」

そこで止まった。

田?」

首を振る。

?」

また首を振った。

しばらくすると、

「たかせ」

さく言った。

職員は名簿を確認した。

施設の記録には、

【ユキ 詳】

としかない。

瀬さん?」

女性は答えなかった。

代わりに机ののボールペンを取り、へ何かをこうとした。

最初の文字は震えていた。

【しゅ】

そこで何度もペン先が止まる。

やがて、ひらがなで文字をいた。

【しゅうへい】

「修平さんって、誰ですか」

女性はを見た。

「帰る」

「修平さんのところへ?」

返事はなかった。

ただ、その名にもう度、

【しゅうへい】

いた。

青葉ホームの責任者だった庭浩は、

「詳しいことは覚えていない」

と話した。

ですから」

「この女性は、いつ入ったんですか」

の担当者が尋ねると、庭は古い学ノートを持ってきた。

正式な入居台帳ではない。

付と額、簡単なメモだけが並んでいる。

〇〇の欄。

分。

【女性名 ユキ】

部腫脹】

【会話混乱】

【川氏搬送】

担当者の目が止まった。

「川氏というのは?」

「取引先のです」

族ではない?」

「違います」

「なぜ族でもないが、を怪した女性を連れてきたんですか」

庭は黙った。

「病院には?」

「本が嫌がったんです」

「当表示できる状態だったんですか」

「……そこまでは」

記録の翌には、

【吐き気あり】

所の理解良】

かれている。

【夫? 修平という名を繰り返す】

広告

おすすめ作品

リンクを共有

以下のリンクをコピーして友達と共有してください: