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"嫌われた娘の五十八億円" 第11話

美津子と絵里も、正資で購入された産や貴属の差し押さえ通告を受け、泣き叫びながら任の捜査員に連されていった。

黒崎側の鮫島弁護士も、共犯関係の嫌疑で別へと連され、嵐のような狂騒がった会議には、再び静寂が戻った。

たちの先っていた髪のが、油の染みた作業を両く握りしめ、真へとた。その節くれだった目元から、粒の涙が零れ落ちていた。

「……お嬢さん。いや、真。先代が命を懸けて守り抜いてくださったこのを……どうか、私たちと緒に、もうかしてください。先代の遺した誇りを、世界へ届けてください」

数名の熟練職たち全員が、斉に真に向かって々とげた。

く息を吸い込み、職たちひとりの顔を見つめ、力く頷いた。

「はい! お父さんが遺してくれたこの所で、誰にも恥じることのない、世界で番誇らしいものづくりを始めましょう!」

静まり返っていた会議に、割れんばかりの力い拍と歓声が鳴り響いた。

の初

れの突き抜けるような青空の田区の本社からは、よい属の切削音と職たちの活気に満ちた声が響き渡っていた。

がスイスの信託基から投じた私財によって、老朽化していた内には最鋭のクリーンルームと超微細加ラインが設されていた。

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裏社会の資洗浄や正取引を完全に掃したには、世界の医療器メーカーや航空宇宙関連企業からの正規の試作発注が相次ぎ、かつての町は「世界最先端の精密医療技術拠点」として奇跡の復活を遂げていた。

の作業着にを包み、髪をろで束ねた真は、現の最ロットの検査を終えると、の裏にあるさな庭へとゆっくり歩いた。

そこは歳の誕に、父・源蔵が拳を砕いて血を流しながら煙を吸い、する娘を守るために自ら悪魔になることを誓った所だった。

コンクリートの壁の片隅には、父が密かに植えた本のが、青々とした力い葉を茂らせていた。

は作業着の胸ポケットから、父の形見である古い真鍮の懐計を取りした。

カチリと蓋をけると、ガラスの内側に挟み込まれた、褪せた枚のさな写真がを浴びた。

歳の誕。父に踏み潰されたはずの、あの赤いリボンのエナメル靴を履いて、庭で無邪気に笑っている幼い真の写真。父が密かに同じ靴を買い直して真の枕元に置き、翌朝、庭で遊ぶ真の笑顔をから望カメラで隠し撮りしていた、奇跡の枚。

写真の裏には、掠れた父の万の文字で、こう記されていた。

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『おが笑っていれば、俺は獄の業でも笑っていられる』

の目から、温かい涙が筋、頬を伝って零れ落ちた。

だが、その涙はもうしみのものではなかった。

にわたる父の沈黙と、血を吐くような孤独な戦い。そのすべてを受け止めた今、真の胸の奥には、どんな嵐にも決して消えることのない、父の絶対の灯が力く燃え盛っていた。

「お父さん……見ていてくれた? 私、お父さんのを、世界誇らしい所にしたよ」

が空を見げると、初の爽やかな薫が吹き抜け、の青葉をサワサワと優しく揺らした。

まるで、国の父が分の沈黙を破り、「ああ、よくやったな、真」と、優しくを撫でてくれたかのように、温かなが真の頬を包み込んでいった。

は懐計を両く握りしめ、澄み切った青空に向かって、満面の笑みを咲かせた。

その瞳には、父から受け継いだ誇りと技術を胸に、あふれる未来へと力く歩み続ける、の揺るぎないリーダーの輝きが満ちていた。

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