みかん小説
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"最後の定期券" 第11話

ただの古い

でも。

父にとっては30そのものだった。

その

由紀は父と緒に青葉川駅跡を訪れた。

駅舎はもうない。

も撤されている。

しかし。

さなホーム跡だけが残っていた。

夫はそこにった。

30

女が待っていた所。

そして。

自分が約束をした所。

「終わったの?」

由紀が聞いた。

夫はしばらく景を見ていた。

「いや」

「終わったんじゃない」

「続いていくんだとう」

父は言った。

「優子ちゃんも」

「俺も」

「みんな、それぞれの所できていく」

帰り

駅跡のくで、たちが歩いていた。

笑い声が響く。

夫はその姿を見て微笑んだ。

「昔の俺なら」

「何?」

「この子たちを見て、何か配していただろうな」

由紀は笑った。

「今もでしょ」

「そうかもしれない」

父は笑った。

でも。

昔とは違う笑顔だった。

背負っているものがし軽くなったような。

そんな表だった。

その夜。

夫は久しぶりに族全員で卓を囲んだ。

特別な料理はなかった。

普通の夕

噌汁。

焼き魚。

漬物。

しかし。

由紀には、それが昔より温かくじた。

父は静かに箸をかしながら言った。

「今度、優子ちゃんの図館へこうとう」

「また?」

「今度は仕事じゃない」

由紀は笑った。

「じゃあ何?」

父はし考えて。

答えた。

「本を借りにく」

その言葉に。

族は笑った。

68歳で失踪した父。

族は最初。

何か隠しているとった。

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若い頃の秘密。

別の

らない過

しかし。

に見つかったものは。

裏切りではなかった。

の男が。

30守り続けた約束だった。

には。

取り戻せないがある。

言えなかった言葉もある。

会えなかったもいる。

それでも。

遅すぎることばかりではない。

誰かをう気持ちは。

経っても。

消えることはない。

由紀の娘が、祖父に聞いた。

「おじいちゃん、昔駅員さんだったんでしょ?」

「そうだ」

「駅って、何が事なの?」

夫はし考えた。

でも。

切符でもない。

もっと切なもの。

それは。

誰かを送りし。

そして。

いつか帰ってくる所を残すこと。

「待つことかな」

夫は答えた。

「待つこと?」

「そうだ」

はね」

「帰る所があるから、くへけるんだ」

孫はが分からない顔をした。

でも。

夫は笑った。

30

女が駅で待っていたように。

は皆。

どこかで誰かを待ちながらきている。

そして。

いつか。

その所へ帰ってくる。

完.

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