"6秒の着信" 第8話
さらに失踪事件の翌、古販売へ型の輪駆を売却していた。
その種に、捜査員のが目を留めた。
岳救助隊が2019に作成した形資料には、般の登者が利用できない古い管理が記録されていた。としての使用は止されていたが、途までは型の作業両で入ることができ、問題の写真撮所からへ約600メートルめば、そのへりられる細い踏み跡がしていた。
つまり2が消えた所には、般客のらない「でをる経」があった。
この事実は、3に捜索犬が途で匂いを見失った理由とも致した。ジフンとアリンが徒歩で管理まで移し、そこでへ乗せられていたなら、それ以面に続く匂いがくなっても議ではない。しかも当の捜索隊は岳遭難を提としており、閉鎖済みの作業を両による搬経として点に調べてはいなかった。
警察はテミンを任で事聴取した。彼は「昔、岳で働いたことはある」と認めたものの、ジフンとアリンについてはニュースでっただけだと答えた。「Seorak Hidden Frame」という名にも聞き覚えがないと言い、20191019は宅にいたと説した。
ところが、そのはすでにくなっていた。
さらにテミンは、失踪事件当使用していた携帯話について「紛失した」
広告
と説した。を売却した理由は引っ越しのためで、岳へったかどうかについては「覚えていない」と繰り返した。3のを細部まで答えられなくても自然ではないが、捜査員には別の違があった。
問題の6秒の音声を聞かせただった。
「この声に聞き覚えはありますか」
質問した刑事に対し、テミンは音声が再されてからわずか2秒ほどで「私ではありません」と答えた。録音にはい雑音があり、事に内容をっていなければ誰の声か判断するには何度か聞き直す必がある程度だった。それにもかかわらず、彼は最まで聞くに否定していた。
その瞬から、事聴取は単なる確認ではなくなった。
警察は裁判所から令状を取り、テミンが暮らしていた宅と倉庫を捜索した。現使用している物のから失踪事件に直接つながる証拠はなかったが、古い段ボール箱の底から、2018頃に使用していた付けハードディスクが発見された。
削除されたファイルを復元した捜査員は、そのに「SEORAK」という名のフォルダーを見つけた。
そこには、ジフンとアリン以の複数の男女をで撮した写真が保されていた。
写真のくは観客を普通に撮したものだった。岳を背景に笑う夫婦、友同士、若いカップルが写っており、見すれば個の趣で撮した写真集にしか見えなかった。
広告
ところがファイル名を調べると、部に付だけでなく「2」「女1」「あり」といった奇妙なメモが付けられていた。
警察は写っている物を能な限り特定した。ほとんどは無事に帰宅していた観客だったが、数から「で見らぬ男性に秘密の撮所を教えてもらった」という証言が得られた。男性は写真好きの元民を名乗り、料を取らず、親切にシャッターまで押してくれたという。
ある女性は、警察の聞き取りに対してなことをいした。2018、恋と岳へった際、男から「もっときれいな所がある」と非公式のへ誘われたが、が暮れそうだったので断ったという。断った直までよく笑っていた男の表が急に変わり、「せっかく教えてやったのに」と声で言ったことが怖くて記憶に残っていた。
写真を確認した女性は、テミンの過の分証写真を見てしばらく黙った、「たぶん、このです」と答えた。
さらにハードディスクから削除されていた文が復元された。岳周辺の図に赤い線がかれ、般登から古い管理へる経が記されていた。ジフンのバックパックから見つかった描きのスケッチと比べると、×印の位置と赤い線の方向がほぼ致していた。
「1725分」という刻にもがあった。
テミンが作業員として勤務していた期、その古い管理では夕方に資材両が戻るため、午520分から30分頃に管理用の鎖がにされるがあった。
広告
おすすめ作品
-
完結第11話
飛騨の農家に消えた嫁
1995年、岐阜県飛騨地方の山あいにある和牛農家へ嫁いだ27歳のゆき子。 よく働き、誰にも逆らわず、慣れない村で必死に暮らしていた彼女は、ある冬の日、牛舎へ向かったまま姿を消した。片方だけ残された長靴。消えた青いジャンパー。そして、家族が語った「自分から出て行った」という言葉。 警察は深く調べることなく、失踪は家出として処理された。 それから8年。村では何事もなかったように季節が巡り、義父の幻蔵は“誠実な畜産農家”として周囲から慕われ続けていた。 しかし、牛舎裏の堆肥の山から見つかった人骨が、止まっていた時間を動かす。 長年誰も近づけなかった壺のそば。夜ごと繰り返された寝言。真冬の洗車場で執拗に洗われた軽トラック。 誰も探さなかった若妻は、8年間どこにいたのか。 そして、家の体面を守るために義父が隠し続けたものとは――。ミステリー|行方不明1.6萬字5 35 -
完結第12話
壁の中の13年
平成3年、埼玉の小さな町で、妊娠8か月の美智子が突然姿を消した。 財布も出産準備の品も家に残されたまま。昼にはスーパーで買い物をし、公衆電話から誰かへ電話をかけ、その後、背の高い男と歩く姿を目撃されたのを最後に、彼女の行方は分からなくなる。 夫の誠、東京にいたはずの兄・茂、そして美智子を追い詰めていた山田家の沈黙。 警察は夫を疑い、町は噂に揺れたが、決定的な証拠は見つからないまま、事件は13年の時に埋もれていく。 しかし平成16年、再開発で古い家が解体された時、寝室の壁の内側から、長年隠されていたものが見つかった。 あの日、美智子は誰に電話をかけたのか。 そして、壁の中に封じられていたのは、彼女の行方だけではなかった――。ミステリー|真相1.8萬字5 499 -
完結第14話
10年目のゲームボーイ
1991年、8歳の誕生日会の最中に、篠原恵美の息子・直樹は忽然と姿を消した。 公園には多くの親子がいた。ほんの数分前まで、直樹は青いゲームボーイを手に友達と遊んでいたはずだった。だが、気づいた時にはどこにもいない。目撃者も、手がかりも、残された物もなかった。 それから10年。 息子を見失った母の時間だけが、あの日のまま止まっていた。 そんなある日、友人に連れられて訪れたフリーマーケットで、恵美は古い玩具の山の中から一台の青いゲームボーイを見つける。そこには、直樹が自分で貼ったはずの3枚のシールが、記憶のまま残されていた。 それを売っていたのは、かつて地域で信頼されていた元警察官の男。 なぜ、消えた息子の持ち物が10年後にそこへあったのか。 そして男が思わず口にした「息子」という言葉が、隠されていた10年の闇を少しずつ暴き始める――。ミステリー|裡の顔2.1萬字5 183 -
完結第13話
消えた23人の観光団
2025年9月29日、福岡に約2700人の団体観光客が一斉に降り立った。 その日を境に、日本各地で不可解な失踪が相次ぎ始める。タクシー運転手、配達員、宿泊施設の関係者――いずれも夜、一人で行動することの多い男性たちだった。 やがて糸島の海岸で発見された身体の一部が、事件の扉を開く。 捜査を進める刑事・鈴木健二は、失踪した観光客、黒いワゴン車、古い倉庫、医療機器販売会社、そして横浜港へ向かう冷凍コンテナという、ばらばらに見えた点を追い始める。 これは単なる失踪事件ではない。 観光の人波に紛れ、日本の空き倉庫や港を利用して動いていた国際犯罪組織。その裏には、人間を“商品”のように扱う恐ろしい取引が隠されていた。 救える命はまだ残っているのか。 そして、海へ消えた男と「王」と呼ばれる人物の正体とは――。 福岡から始まった小さな違和感は、やがて日本全体を揺るがす闇へとつながっていく。ミステリー|真相2.0萬字5 202 -
完結第12話
床下の小さな指輪
1991年、群馬県山川町の古い油屋で、嫁の佐藤美優が幼い息子を残して姿を消した。 家族は「男と駆け落ちした」と証言し、町にもその噂は広まった。働き者で、息子を誰より大切にしていたはずの美優は、いつしか“子供を捨てた母親”として語られるようになる。 それから6年後。 借金で差し押さえられた油屋の離れを壊した時、床下のセメントの奥から、人骨と小さな金の指輪が見つかった。 美優は本当に家を出たのか。 なぜ姑は、離れを壊すことだけを必死に止めたのか。 そして彼女が最後まで握りしめていた指輪は、誰のためのものだったのか――。ミステリー|真相1.8萬字5 159 -
完結第11話
11年目のコロッケ
14歳の秋、黒田み咲の母・裕子は「夕飯のおかずを買ってくるね」と言って家を出たまま、二度と戻らなかった。 父は、母が家の金を盗み、近所の男と駆け落ちしたのだと親族に告げた。置き手紙も見つかり、周囲の大人たちは皆それを信じた。残されたみ咲は、“泥棒の娘”として11年間、父と継母、そして親族たちから辱められ続けることになる。 しかしある法要の日、裏山の古い井戸から、母が消えた日に買ったコロッケのレシートと、泥にまみれたカーディガンが見つかる。 母は本当に男と逃げたのか。 なぜ、継母の失くしたはずのイヤリングが井戸の底にあったのか。 そして、11年間沈黙していた“目撃者”が現れた時、黒田家が守り続けてきた嘘は音を立てて崩れ始める。 母に捨てられた娘だと思い込まされてきたみ咲が、封印された真実へたどり着くまでの、愛と復讐の物語。ミステリー|行方不明1.6萬字5 1415 -
完結第15話
灯油札の密告
2005年11月、長野県の山あいにある静かな村で、工藤家の住宅が深夜に炎に包まれた。 家の中には、父と母、そして7歳の息子。近所の人々が助け出そうと駆けつけるが、玄関には外側から鎖と南京錠が掛けられ、勝手口も角材で封じられていた。 これは事故ではない。 誰かが一家を逃げられないように閉じ込め、火を放ったのだ。 村人たちは涙ながらに犯人探しを願い、特に隣人の男は誰よりも深く悲しんでいるように見えた。だが刑事・星野は、焼け跡に残された不自然な痕跡と、その男の身体にあった小さな傷に違和感を覚える。 そして事件から数日後、町の貴金属店に持ち込まれた大量の一万円札が、捜査を大きく動かす。 その紙幣には、かすかな灯油の匂いが残っていた。 炎で消されたはずの夜に、いったい何があったのか。 そして、最後まで燃え残った“匂い”は、誰の罪を指し示していたのか――。ミステリー|遺體発見2.3萬字5 255 -
完結第10話
雪下の赤いマフラー
1998年11月12日、雪の降る旭川で、赤いマフラーを巻いた3人の女子高校生が忽然と姿を消した。 双子の美咲と南、そして親友の彩。3人は放課後の演劇部の練習を終え、いつものように学校を出たはずだった。だが、その日を境に、家族のもとへ帰ることはなかった。 捜索は続いたが、足跡も持ち物も見つからない。吹雪がすべてを消してしまったかのように、事件は未解決のまま17年の歳月が流れていく。 そして2015年。元郵便配達員の古い鞄から、17年間届けられなかった1通の手紙が見つかる。 そこには、こう書かれていた。 「私は、美咲、南、そして彩に何が起きたのか知っています」 手紙をきっかけに再び動き出す捜査。座布団の中に隠された日記、古いカセットテープ、稚内へつながる謎の手紙、そして雪深い小屋の床下に眠っていた赤いマフラー。 3人はなぜ消えたのか。 教師・田中浩は何を隠していたのか。 17年間閉ざされていた雪の中の真実が、今、静かに姿を現す。ミステリー|行方不明1.5萬字5 1156